英ストリーティング国防相は、トランプ氏の圧力がNATOの防衛費増額と欧州の安全保障自立を促したと評価。対米依存の見直しと英米協調の現実路線を示した。
英国のウェス・ストリーティング国防相は7月26日、欧州は将来的にアメリカのトランプ大統領に感謝することになるとの認識を示した。NATO加盟国に対し、防衛面での負担を増やすよう求めたことが背景にあるとしている。
ストリーティング氏は、欧州がこれまで防衛面でアメリカに依存してきた状況について、トランプ氏が見直しを迫ったと指摘した。
また、英国の対イラン政策については、攻撃的な行動を支持しない立場を改めて強調した。その一方で、ホルムズ海峡の安全確保やイランの核開発阻止、NATOの防衛力強化については、アメリカと連携して対応する考えを示した。
ストリーティング氏は、スカイニュースのインタビューで、トランプ政権との関係について「迎合する必要はない」と述べた。
そのうえで、「トランプ大統領は率直に発言し、発言したことを実行する人物だ」と評価した。
さらに、欧州各国がトランプ氏の言動を必ずしも好意的に受け止めているわけではないとしながらも、防衛政策に与えた影響は大きいと指摘した。
そして、「将来、この時代を振り返ったとき、欧州はトランプ大統領に感謝することになるだろう」と述べた。
また、欧州の防衛支出をめぐるアメリカの不満は、特定の政権や政党に限らず、これまでの政権に共通するものだとの見方を示した。
さらに、「個人的にトランプ氏と親しいわけではないが、アメリカという国を信頼している」と述べ、英米関係の重要性を強調した。
NATO防衛費5%の意味
NATOは2025年の首脳会議で、防衛支出を2035年までにGDP比5%とする目標で合意している。このうち3.5%以上を中核的な防衛分野に充て、最大1.5%をインフラやサイバー対策など関連分野に充てるとしている。従来の目標はGDP比2%であった。
ストリーティング氏は、欧州は自らの安全保障を担う能力を高める必要があるとしたうえで、アメリカと協力しつつも過度な依存は避けるべきだと述べた。
ストリーティング氏は7月20日に国防相に就任した。アンディ・バーナム首相と同日の就任である。
就任後、アメリカのヘグセス国防長官と電話で会談し、ホルムズ海峡の安全確保やNATOの対応について協議した。
この中で、「英国はこれまでも、そして今後もイランに対する攻撃的な行動は支持しない」と伝えたとしている。
その一方で、「ホルムズ海峡の安全確保やイランの核開発阻止、防衛能力の強化については、双方で協力して取り組むべき課題がある」と述べた。
米側も歓迎 「真の軍事能力が必要」
ストリーティング氏の発言に対し、米側からも前向きな反応が示された。
マイク・ウォルツ米国連大使は26日、ソーシャルメディアに「英国よ、どういたしまして。我々には同盟国が必要だが、求められるのは真に軍事能力を備えた同盟国である」と投稿した。
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