習近平の身内浙江派も粛清 SNSまで調べる中共の異常な忠誠審査

2026/06/19
更新: 2026/06/19

6月以降、中国共産党中央規律検査委員会・国家監察委員会は、複数の官僚に対する調査を相次いで発表した。対象は巡視、金融、地方党政、建設行政、大学、規律検査など幅広い分野に及んでいる。事情を知る関係者は、中共による内部粛清が、汚職摘発から政治姿勢の調査へと広がっており、官僚組織の内部では自己保身の動きが強まっていると指摘している。

中共第20回党大会以降、官僚の昇進や自己保身をめぐるルールは変化した。地方、金融、政法、国有企業、軍の各分野の官僚は、反汚職調査だけでなく、政治的立場の審査にも直面している。反汚職、巡視、監査、特別調査が重なり、官僚が過去に関与した事業認可、財政支出、企業誘致、人事配置などが、いつでもさかのぼって調べられる可能性がある。

ヨーロッパ在住の元北京関係者に詳しい辛さんはこのほど、大紀元に対し、最近の中共の官界では内部粛清が一段と強まり、多くの官僚が出国を考えるようになっていると明かした。

辛さんは「中国国内の友人によると、今は上から下まで個人の状況を調べている。表向きは収入と財産が釣り合っているかを確認するということだが、実際には発言を調べ、WeChatやウェイボー投稿も調べている。反汚職と言っているが、実際には個人の政治姿勢を調べ、過去3年間の態度表明を確認し、習近平の3期目に反対する発言がなかったかを見ている。経済問題があれば、そのまま拘束され、ほかのことは調べられない」と述べた。

反汚職から「忠誠審査」へ変質した内部粛清

中央規律検査委・国家監察委員会のウェブサイトは6月2日、中央巡視工作指導小組弁公室の元主任、黎暁宏が重大な規律・法律違反の疑いで調査を受けていると発表した。同日、少なくとも10人の官僚に対する調査も明らかになり、対象は巡視系統、金融機関、地方政府、建設行政部門、大学などに及んだ。

オーストラリア在住の張教授は、最近20日間に中共官僚が失脚する頻度は前例がないほど高く、反汚職運動がもはや経済腐敗の摘発にとどまらず、政治的圧力の下で官僚の立場を改めて審査するものになっていると指摘した。

張氏は「北京から聞いたところでは、最近の中国国内は非常に混乱している。現在は利益供与、財産、官僚の海外との関係を調べている。上層部の中には、王岐山の海外関係に関心を示している人物もいると聞いた。王が粛清されることはないと思う。王岐山はかつて公の場で習近平に忠誠を示したからだ。ただ、内部では次は王が調べられており、調べれば一発で疑惑が出ると言われている。調べるのか、調べないのか、今後の動きが注目される」と述べた。

中央規律検査委・国家監察委員会の公式サイトは6月10日、上海市副市長の陳宇剣が、重大な規律・法律違反の疑いで調査を受けていると発表した。人民網や新華網もその後、この情報を転載した。

かつて上海で勤務していた張教授は、陳は韓正が上海トップを務めていた時期に抜擢された官僚であり、その失脚は官界に警告を発するものだと述べた。王岐山に近い人物であれ、韓正に近い人物であれ、もはや安全ではないというメッセージだという。

張氏は「今は退職しているかどうか、現職かどうか、浙江派か福建派かも関係なく調べられている。異動したばかり、昇進したばかりの人でも、しばらくすると調査対象になる可能性がある。彼らは私に、用がなければ帰国しないよう言っている」と語った。

これに先立つ5月、中央規律検査委のウェブサイトには、調査に関する情報が計84件掲載された。その中には、中共中央が直接管理する幹部、中央レベルの党・国家機関の官僚、国有企業や金融機関の関係者などが含まれていた。6月に入ってからも、対象は巡視、金融、地方党政、建設行政、発展改革、人民代表大会など幅広い分野に及んでいる。

地方官僚に広がるリスク回避 署名や企業面会を避ける動き

中国本土の歴史学者、馮程氏(仮名)は、地方官界で集団的なリスク回避の動きが広がっていると指摘した。

馮氏は「現在、多くの官僚は署名したがらず、企業関係者にも会いたがらず、過去からの懸案処理にも関わりたがらない。党校での研修から戻ってきたある幹部候補は、多くの地方トップが食事の場で、自分たちはどうすればよいのか分からないと話していると私に言った。ある指導者の自宅を訪ねた場合、その指導者に問題が起きると、あなたとその指導者との関係まで数か月にわたって調べられる可能性がある。今は人の家を訪ねることも少なくなっている。私が『官僚を辞めればよいのではないか』と言うと、彼は『辞めるにも上司の許可が必要だ。辞職する勇気があるのか』と答えた」と述べた。

記者が最近の中共の反汚職通告を整理したところ、官僚の調査には三つの傾向が見られる。第一に、頻度が高く、同じ日に複数人が調査対象となる事例がある。第二に、対象範囲が広く、巡視や金融から地方党政、大学にまで及んでいる。第三に、内部監督部門そのものも調査対象になっている。

こうした雰囲気の中で、官僚は責任追及を恐れる傾向を強め、署名や企業関係者との面会、過去からの懸案処理を避けるようになっている。地方官界は表面上はなお動いているが、実際には責任回避、自己保身、様子見の状態に入っている。

王欣