中国の金融幹部 離職を模索か 海外渡航で調査回避の動き

2026/07/22
更新: 2026/07/22

中国の紀律検査部門は、銀行など国有の金融機関の管理職を対象に、預金や海外資産、離職時の監査の状況について調査を進めている。関係者によると、一部の管理職の間では、調査を避けるために事前に離職し、パスポートを受け取って海外に渡る動きが出ているという。  

金融業界に詳しい関係者は、管理職が調査や離職監査を回避する目的で、職を離れたうえでパスポートを取り戻し、出国するケースについて、当局が実態の把握を進めていると話している。  

この関係者は、「国外への出方を検討する人が増えている。医師に依頼して重病の診断書を取得するケースや、飲酒運転で拘束されて解雇となり、パスポートの返還を受けるケースもある。海外に資産を持つ人が多く、調査を避けたい意向がある」と述べた。  

別の金融機関の関係者も、銀行や保険会社、証券会社などの管理職を対象に調査が行われているとしたうえで、「過去10年分の収入が確認されている。調査の動きが広がれば、退職して海外に出ようとする人が増える可能性がある。自発的な辞職は疑いを招くため、さまざまな方法が検討されている」と話している。  

収入と海外資産の確認が進む背景

国営の新華社通信は7月2日、共産党の金融関連会議で、監査や巡視の是正を徹底し、腐敗対策を継続するよう求める発言があったと伝えた。  

調査の対象となる機関や人数は公表されておらず、パスポートや海外資産の確認状況についても明らかにされていない。  

関係者によると、調査は一部の対象者について、預金や海外不動産、家族名義の資産、離職前後の資金の動きにまで及んでいるという。  

また、監査の強化を受けて、管理職を離れる動きもあり、病気や規律違反などを理由に職を離れたうえで、勤務先が管理するパスポートの返還を求めるケースもあるとしている。  

SNSで拡散する回避事例と真偽

中国のSNSでは、国有企業の幹部が意図的に飲酒運転で摘発され、解雇後にパスポートを受け取ったとする投稿も見られる。投稿では、その後、当人が海外に渡っていたとされている。  

ただ、こうした情報の真偽は確認されていない。  

退職した公務員は、「資金の流れの説明が求められ、説明できない場合は没収される可能性がある。一定額であれば責任が問われない場合もあるが、国外への移動を検討する人は少なくない」と話している。  

また、金融機関の幹部は、紀律検査のほか、任期監査や離職監査、個人情報の申告、家族の海外資産の確認などの対象となる可能性があるとされる。  

パスポート管理制度  

関係者によると、中国では国有企業や金融機関の管理職に対し、私的な海外渡航の登録制度やパスポートの一元管理が行われている。  

このため、雇用関係が続く間は、自由にパスポートを受け取り出国することは難しいとされる。解雇によって職場を離れ、出国の余地を確保するケースもあるという。  

関係者は、「出国する人の中には、事前に情報を得て動いているケースもある」と指摘している。 

呉霆