日本 ホルムズ封鎖で北米から代替調達が加速 

2026/04/28
更新: 2026/04/28

米国とイスラエルによるイラン攻撃を端緒とする中東情勢の緊迫化を受け、イランがホルムズ海峡を事実上封鎖し、世界のエネルギー安全保障が揺らいでいる。石油の95%を中東地域に依存し、原油の90%以上を同海峡経由の輸入に依存してきた日本にとって、影響は深刻である。高市政権は石油備蓄の放出や北米からの代替調達を急ぎ、エネルギー危機への対応を本格化させている。

ホルムズ海峡の封鎖により、国内ではナフサなど一部化学品の品不足が深刻化し、供給網の「目詰まり」が発生している。高市政権は主要先進国の中でもいち早く石油備蓄の放出に踏み切った。

高市首相は、ホルムズ海峡を経由しない代替調達を進めた結果、4月には前年実績比で2割以上、5月には過半の代替調達のめどがついたと説明している。首相は「日本全体として必要となる量は確保できており、年を越えて原油の供給を確保できるめどがついた」と強調した。

一方で、政権幹部は現時点では節約を呼びかける必要はないとの認識を示しており、電力やガソリン消費の自粛要請など、国民生活に直結する需要抑制策については慎重な姿勢を維持しており、ガソリン価格の抑制に向けた補助金も継続している。

中東からの供給が断たれる中、政府が代替調達先として重視しているのが北米、特に米国である。3月の日米首脳会談では、日本が米国産原油の輸入を拡大することで合意しており、5月には米国からの原油輸入が前年比で約4倍に拡大する見込みだ。

米国を出発し、日本に向かう原油タンカーも急増している。4月23日時点で、米国メキシコ湾沿岸部の積み出し拠点を出航した日本向けタンカーは13隻確認された。約1か月前の3隻から4倍強に増えたことになる。

そうした中、26日には、コスモ石油が手配した米国産原油91万バレルを積んだタンカーが東京湾に到着した。時事通信によると、早さを重視し、パナマ運河を経由したという。今後は、アフリカの喜望峰回りのルートも含め、米国からのタンカー到着が本格化するとみられている。

ただ、北米からの調達拡大には課題も残る。米国産原油は軽質油が中心であるのに対し、日本の石油精製設備の大半は中東産の重質油向けに設計されている。このため、精製工程でミスマッチが生じる懸念が指摘されている。国際的な原油争奪戦が激化する中、スポット契約での調達に頼らざるを得ない点は不安材料である。

備蓄にも限界がある。代替調達が進んでいるとはいえ、国家備蓄は年末までに底を突く計算との見方もあり、政府が将来的に省エネや需要抑制の要請に踏み切らざるを得ない局面が来るとの指摘も出ている。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます