これは中国で実際に起きた、「謎の事件」である。
「事件」が起きたのは、中国・貴州省畢節市(ひっせつ-し)の商店街。
1月29日の夜11時ごろ、通り沿いに並ぶ十数軒の店舗の入口が突然レンガの壁で塞がれた。
作業は大人数で行われ、動かぬ映像記録も残っている。
作業員が黙々と壁を積み上げていた。
翌朝、店主たちが見たのは、昨日まで確かに存在していた「入口」が消えた光景だった。
早朝に仕込みのため店に入っていた飲食店の店主が、壁によって店内に閉じ込められていた。そう、壁は、人が中にいる状態で完成していた。
誰がやったのか。
なぜやったのか。
何の権限でやったのか。

この謎の事件は瞬く間にネット上で拡散し、2月1日にはSNSのトレンド入りを果たしている。だが、この時点でも犯行を名乗る組織は一つも現れなかった。
世論が騒ぎ始めた翌日、事態はあっさりと動いた。頑丈に積まれていた壁が、何事もなかったかのように撤去されたのだ。

中国メディアも相次いで報じた後、ようやく口を開いたのは、「事件」現場を担当する地元行政の現場窓口の担当者だった。
説明はこうだ。「老朽化したガス管の改修工事だった」
しかし、なぜ深夜だったのか。
なぜ無告知だったのか。
なぜ人が中にいる可能性を無視したのか。
これらの疑問に対する答えは示されなかった。
この事件は、結局何だったのか。
分からないまま、終わった。

なお、同様の事件はこれが初めてではない。
去年5月には、山東省青島市即墨区でも、飲食店の入口が正体不明の人物によって壁で塞がれる出来事が起きた。
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