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トランプ大統領 「アメリカには海外からの人材が必要」と発言

2025/11/12
更新: 2025/11/12

トランプ政権が移民政策を強化し、ハイテク分野の人材を対象とするH-1Bビザの申請料を引き上げ、不正行為の取り締まりを強化する中、トランプ大統領はインタビューに応じ、アメリカには海外の技術者が必要だと強調した。

11月11日に放送されたフォックス・ニュースのインタビューで、司会を務めたローラ・イングラハム(Laura Ingraham)氏は、H-1B技術者ビザをめぐる課題についてトランプ大統領に質問し、今後政府がこれらのビザを優先的に扱う方針かどうかを尋ねた。イングラハム氏は、H-1Bビザ制度がトランプ氏の掲げる「アメリカ人労働者の賃金引き上げ」という目標の達成を難しくしていると指摘した。

トランプ大統領は「アメリカは人材を引き入れなければならない」と語った。

イングラハム氏が「この国にも多くの優秀な人材がいる」と追及すると、トランプ大統領は「いや、いない——特定の分野の才能がないのだ。だから——人々は学ばなければならない」と応じた。

トランプ大統領はこれまで、自動車産業や人工知能(AI)分野などの成長を後押しするため、海外からの投資を積極的に呼び込んできた。しかしインタビューでは、アメリカ国内の一部労働者が製造の各工程に必要な技能を十分に備えていない可能性を示唆した。

「ある国が100億ドル(約1500億円)を投じて工場を建設しようというとき、5年間職に就いていなかった人々を失業者の列から引き抜いてきて、すぐにミサイル製造に就かせるわけにはいかない。それはうまくいかない」と述べた。

H-1Bビザは、特にテクノロジー業界の大企業が海外から人材を雇用する際に広く利用しているが、不正行為が指摘されている制度でもある。

フォックス・ニュースは11月7日、アメリカの労働省がH-1Bビザ制度の乱用疑惑に関して少なくとも175件の調査を開始したと報じた。調査では、高学歴の外国人労働者の中に、求人票に記載された給与水準を大きく下回る賃金で働かされている事例を確認した。労働省は、このような状況がビザ保持者およびアメリカ人労働者の賃金を押し下げ、同等の資格を持つアメリカ人労働者が競争上の理由で低賃金を受け入れざるを得なくなる要因になっていると説明している。

さらに、一部の雇用主はH-1Bビザ保持者を解雇した後、米国市民権・移民局(USCIS)に対して適切に報告しておらず、報告が行われた時点ですでに雇用関係の終了から長時間が経過していたケースもあるという。

トランプ大統領は9月19日、すべての新規H-1Bビザ申請に10万ドル(約1500万円)の支払いを義務付ける旨の公告に署名した。大統領は、この制度が乱用され、アメリカ人労働者の補完ではなく、低賃金・低技能の外国人労働力によってアメリカ人の職が置き換えられていると批判している。

10月20日、米国市民権・移民サービス局(USCIS)は新たな指針を発表し、10万ドル(約1500万円)のH-1Bビザ申請料はアメリカ国外からの新規申請者のみに適用されると確認した。

さらに10月3日、労働組合、雇用主、看護師団体で構成される連合体が訴訟を提起し、H-1Bビザ申請料を10万ドル(約1500万円)に引き上げるというトランプ政権の提案の差し止めを求めた。全米自動車労働組合(UAW)や全米大学教授協会(AAUP)などの原告は、トランプ大統領に特定の外国人の入国を制限する権限があるとしても、それがH-1Bビザ制度を定めた法律を覆す権限を意味するものではないと主張している。

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