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米民主党ペロシ元議長 2027年に政界引退へ

2025/11/07
更新: 2025/11/07

米民主党の重鎮、ナンシー・ペロシ下院議員は6日、現在の任期が終了する2027年1月3日をもって引退することを発表した。アメリカ史上初の女性下院議長として知られるペロシ氏は、約40年にわたり連邦政治の第一線で活動してきたが、次の世代に道を譲る時が来たとして政界から退く決断を示した。

ペロシ氏は「私たちは歴史をつくり、進歩を重ねてきた。今後も民主主義の担い手として、アメリカの理想を守り続けていかなければならない」と述べた。

1987年に初当選したペロシ氏は、2003年に女性として初めて下院少数党院内総務に就任。2007年にはアメリカ史上初の女性下院議長となった。議長就任時には「200年以上待ち続けた歴史的瞬間。今日、私たちは『ガラスの天井』を打ち破った」と語った。

在任中にはオバマケアや景気刺激法案の成立を主導し、民主党が2018年の中間選挙で下院多数派を奪還した後、再び議長に復帰した。

2023年、共和党が下院多数派を取り戻したことを受け、ペロシ氏は党指導部から退いた。議会で「次期議会では民主党指導部の再選を目指さない」と表明し「私にとって、私が深く尊敬する民主党議員団を新しい世代が率いる時が来た」と述べた。

ペロシ氏は1940年、メリーランド州ボルチモア生まれ。父トマス・ダレサンドロ・ジュニア氏は同州選出の下院議員を経てボルチモア市長を務め、兄のトマス・ダレサンドロ3世も市長を務めた。

一方で、長い政治経歴の中で、ペロシ氏はしばしば物議を醸してきた。2017年には、共和党が実施した減税政策を「パンくず」と呼び「アメリカの企業が受け取ったボーナスと、従業員にご機嫌取りのために与えているわずかな報酬を比較すると、本当に情けない。本当に情けない」と発言した。

2020年には、下院議長としてトランプ大統領(当時)の一般教書演説後に、演説原稿を破り捨てて注目を集めた。記者団には「あの場でできる最も礼儀正しい対応だった」と説明した。

2021年1月6日、議会が2020年の大統領選でジョー・バイデン氏の勝利を認定した際、ペロシ氏はトランプ氏が議事堂に来たら殴ると脅した。

「彼が来てくれるといいのに。彼を殴り倒したい。今が私のチャンス。ずっと待っていたの。議事堂敷地内への不法侵入の罪で。彼を殴り倒して、刑務所に入って幸せになりたい」と話した。

ペロシ氏の議席をめぐっては、カリフォルニア州上院議員のスコット・ウィーナー氏と、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員の元首席補佐官サイカット・チャクラバルティ氏の2人が立候補を表明している。

トランプ大統領はペロシ氏の引退を「アメリカにとって素晴らしいことだ」とコメント。マイク・ジョンソン下院議長はXで「ペロシ氏の声明は民主党の現状を示している。彼女の功績には敬意を表する」と投稿した。

民主党のハキーム・ジェフリーズ下院少数党院内総務は「ペロシ氏は史上最高の下院議長だ」と称賛。キャサリン・クラーク少数党院内幹事もSNSで「議長、ありがとう」と感謝の言葉を投稿した。

大紀元のワシントン特派員。 ワシントン政治を中心に、政治とスポーツ、スポーツと文化の交差点についても取材・報道を行っている。 過去には、Mediaiteのライターや、Jewish News Syndicateのワシントン特派員を務めた。 また、The Washington Examinerにも寄稿したことある。 ジョージ・ワシントン大学卒業。