複数の情報源によると、マイクロソフトが上海に設置していたAIとモノのインターネット(IoT)分野の社内研究施設をすでに閉鎖したと言う。2024年以降、同社は、中国における事業規模を静かに縮小させており、今回の閉鎖もその一環とみられた。
上海AIラボの閉鎖
3月31日付の香港紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」の報道によれば、上海の張江ハイテクパークにあった「 AI 共同イノベーションラボ(AIラボ)」は、現地関係者の話として「すでに今年初めに閉鎖された」という。
同紙の記者が現地を訪れたところ、施設は真っ暗で無人の状態となっており、看板も取り外され、オフィス機材もすべて撤去されていた。マイクロソフトは、同紙のコメント要請に応じていない。
また、中国のIT系メディア「雷鋒網」も3月24日、マイクロソフトに近い複数の関係者の話として、当該ラボが、張江ハイテクパークとマイクロソフトの共同出資によって設立されたこと、契約満了を前にマイクロソフトが今後の追加出資に難色を示したことを報じ、最近になってパートナーシップが解消され、ラボも閉鎖されたとの情報が出回っていた。
マイクロソフトの公式ラボ一覧に上海は含まれず
中国メディア「澎湃新聞」によると、上海のAIラボは2019年時点でアジア初かつ世界最大規模の施設とされていたが、現在はマイクロソフト公式サイトのAIラボ一覧にその名前は記載されていない。
同サイトに掲載されている現存する6つのラボは以下の通り
- 米国ワシントン州レドモンド(本社所在地)
- 米国サンフランシスコ(先端技術開発の中心地)
- 米国ミルウォーキー(ウィスコンシン大学と連携)
- ドイツ・ミュンヘン(欧州のパートナー支援拠点)
- 日本・神戸(国際貿易と製造業の都市)
- ウルグアイ・モンテビデオ(中南米向け支援拠点)
中国事業の縮小を静かに進行
マイクロソフトは、中国事業の縮小を公に大きく発表することは少ないが、具体的な動きは各所で確認されている。
2024年5月には、中国のAI関連部署の社員約700〜800人に対して、アメリカ、オーストラリア、アイルランドなど海外拠点への異動希望を募るメールが送付された。
これについて、マイクロソフトの広報担当は、
「グローバルな運営の一環として、社内異動の機会を提供している」と、コメントした。
また、2020年時点で、中国国内に460か所あったマイクロソフトの認定店舗および体験エリアは、2024年7月にはわずか7店舗にまで減少した。
これについても同社は「中国市場における顧客ニーズの変化に応じ、販売チャネルの再構築を行った」
と、説明した。
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