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日本の抗議に対応せず 中国外交部「相互尊重が当然」と主張 外務省「削除要求続ける」

2025/03/25
更新: 2025/03/25

3月21日に行われた石破茂首相と中国の王毅外相との会談を巡り、中国外交部が発表した内容が事実と異なるとして、日本政府が抗議を行った。この問題について、中国外交部の郭嘉昆副報道局長は24日の記者会見で「国家間の交流において互いの立場を尊重するのは正常なことではないだろうか」と述べ、日本側の抗議に疑問を呈した。

中国側の発表内容と日本政府の反応

中国外交部は、石破首相が会談中に「中国側が詳しく説明した立場を尊重する」と述べたとする声明を発表。しかし、日本政府はこれを「事実と異なる」として即座に削除を求めた。林芳正官房長官は24日の記者会見で、「外交上のやり取りで詳細は明らかにしないが、事実と異なる発表が行われたことは遺憾である」と強調し、中国側に対して正式な抗議を行ったことを明らかにした。

また、日本側は会談中、東シナ海問題や中国で拘束されている日本人の早期解放、日本産農水産物の輸入規制撤廃など、両国間の懸案事項についても議論したとされる。しかし、中国側の発表にそのことは触れられていない。

中国外交部の主張

これに対し、中国外交部の郭嘉昆副報道局長は、24日の記者会見で「今回の重要かつ有益な会談は、相互尊重の精神を体現している」と述べ、発表内容の正当性を主張。さらに、「国家間の交流では互いの立場を尊重することが当然である」とし、日本政府からの抗議に対して疑問を呈した。

外務省の対応

大紀元は外務省の中国・モンゴル第一課に、「中国側は日本が求めた『石破首相が発言していないのに発言したとしている発表内容についての削除要求』に25日現在対応しているのかどうか、そして、外務省は今後本件について引き続き削除要求を続ける方針なのかどうか」について聞いた。外務省担当者は「25日15時現在、削除されたとは確認していない。外務省は日々中国外交部とやり取りをしており、引き続き削除を要求し続ける」と述べた。

今後の日中関係への影響

今回の発表内容を巡る対立は、日中関係における緊張感を再び浮き彫りにした。中国側は発表内容を修正する動きを見せておらず、両国間でさらなる外交的摩擦が生じる可能性もある。特に台湾問題や歴史認識など、敏感なテーマが絡む中で、双方がどのような対応を取るか注目される。

今回の一件は、日中間で相互理解と信頼構築がいかに困難であるかを示す一例となった。両国間の対話と協力が進むためには、正確な情報共有と冷静な対応が不可欠と言えるだろう。

大紀元エポックタイムズジャパン記者。主に軍事・防衛、安全保障関係を担当。その他、政治・経済・社会など幅広く執筆。