2024年6月17日、東京都国立市の一橋大学で「日本香港民主主義サミット」が開かれた。香港の現状や未来について議論するこのイベントには、香港当局に国家安全維持法(国安法)違反容疑で指名手配された民主活動家、劉祖廸(フィン・ラウ)氏が登壇した。現在英国に住む劉氏は香港の自由と民主主義を守るための戦いを続ける意志を表明した。
劉氏は、「現在の香港の状況は非常に困難であり、過去の状態に戻ることは難しい」と指摘した。香港が自由を取り戻せる唯一の可能性は中国共産党を解体することであると指摘。旧ソ連が一夜にして崩壊したのと同じように、中国共産党も予兆がないまま解体する可能性があるとした。
大紀元の記者から中国共産党政権の行く末についての見解を問われた際、劉氏は「現在は経済問題が顕在化している。このような部分から綻びが出るのではないか」と述べた。民主主義と自由を勝ち取るには「現在に集中し、一歩一歩確実に進めることが重要だ」と強調した。将来を見据えるよりも、目の前の課題に取り組むことの重要性を説いた。
劉氏はさらに、香港が中国共産党に負けたという考えに強く反対し、「香港は敗北していない」と主張した。2019年の大規模デモは「中国共産党との闘いにおける一つの小さな戦闘」であり、「戦略的には香港は勝利を収めた」と評価した。香港市民の粘り強い抵抗が、世界各国の対中依存を見直す動きに繋がり、長期的な勝利をもたらす可能性があると述べた。劉氏は「勝ったか負けたかは未来次第。2019年のデモは勝ったともいえる」とも語った。
東京大学公共政策大学院の阿古智子教授も午前中に講演し、前香港議員の區諾軒(アウ・ノックヒン)氏について言及した。區氏は香港民主派の元立法会議員であり、現在は東京大学公共政策大学院の博士課程に在籍している。區氏は国安法違反で香港当局に逮捕されたことがあり、阿古教授はこのような事例を通じて香港における言論の自由と民主主義の深刻な状況を訴えた。
このサミットは、2019年の「逃亡犯条例」改正案に反対する大規模デモから5年を迎えるのに合わせて、在日の民主化団体「香港民主女神(レディーリバティー香港)」が主催した。香港の民主化を支持する国際的な連携が求められる中で、このサミットは日本における重要なステップとなった。
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