スマートフォン向けアプリ市場での巨大IT企業による独占状態を是正するための法律が12日、参議院本会議で可決・成立した。「スマホソフトウエア競争促進法」はスマートフォンの基本ソフト(OS)で絶大なシェアを持つアップルやグーグルを念頭に、他の事業者による提供を妨害する行為を禁止し、健全な競争を促す。
法律では、スマホの動作に必要な基本ソフト(OS)やブラウザ、アプリストアなどを「特定ソフトウエア」と定義した。巨大IT企業による他事業者への妨害行為を禁止し、違反があれば国内売上高の20%に相当する分の課徴金が科される。違反を繰り返す場合には課徴金の額が引き上げられる。
法案の閣議決定に際しては、大手事業者による「競争制限的な行為によって、公正かつ自由な競争が妨げられている」と指摘。「新規参入等の市場機能による自発的是正が困難」であるほか、「独占禁止法による個別事案に即した対応では立証活動に著しく長い時間を要する」といった課題が浮上した。
政府は先行するEUでの規制の動きに言及し、「日米欧三極のデジタル市場が足並みを揃えてデジタルプラットフォーム事業者に公正な競争を求めていくためには、日本市場でもデジタルプラットフォーム事業者に対峙するための新たな法律の枠組みが必要」であるとしている。
そして、新規参入を促進することで競争環境を整備し、消費者がそれによって生まれる多様なサービスを選択でき、その恩恵を享受できるようになることが期待されている。
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