プーチン訪中 住民は追い出され空っぽの街 監視カメラも黒い布で覆う異常な厳戒態勢

2024/05/21
更新: 2024/05/21

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が中国黒竜江省ハルビン市を訪れた際は、習近平が訪れる時よりも厳しい警備体制が敷かれていたことが分かった。

17日、プーチン氏は「リトル・モスクワ」とも呼ばれる、ロシア系住民が多く暮らすハルビン市を訪れた。

その訪問に伴い、同氏の移動ルートに面した部屋の住民はホテルへ追いやられ、街はほとんど「空城」にされたようだ。

この「空前絶後」といえるほどの警備体制に対し、「とんだ迷惑だ」と罵声をあげる現地住民も少なくない。

中国国営メディアによると、訪中2日目のこの日、プーチン氏はソ連軍兵士の慰霊碑に花束を手向けた後、「中ロ博覧会」で演説を行い、現地の国立大学「ハルビン工業大学」を訪問した。

SNSに投稿された「当時に敷かれていた厳重な警備体制」に関する動画なかには、空っぽとなった街の通りの様子があった。巨大な街に警備要員以外の歩行者や車両は見られないのだ。

また、現地住民によると、プーチン氏がハルビン工業大学を訪問する前、大学のそばに建つ高層住宅ビルの通りに面した部屋の住民は全員ホテルへ追いやられ、その部屋の中には警備要員が住民の家に上がり込んで見張っていたという。

大学の向かいにあるショッピングモールは「閉鎖されていると思う」と同住民は話している。

「迷惑だ!」と訴える別の動画のなかには、通りに面したある会社の職員の罵声が響いていた。

「当局の命令でオフィスの窓は閉めなきゃいけないし、カーテンも引かなきゃいけない。おかげでオフィス内は真っ暗だ。そのうえ電気をつけることも許されない。それなのに会社は休みじゃないなんて!」と怒り心頭で訴える職員。

いっぽう、プーチン氏の訪問が予定されていたハルビン工業大学でも警備は厳重だった。キャンパス内はパトロールする公安、警察犬、パトカー以外、誰もいないようだ。

その様子を撮影した関係者によると、「キャンパス内に『部外者』は 1 人もいない、関係者であっても出入りするのに厳重な身分チェックが行われる」という。

大学の学生はこの場合、「部外者」の部類に入る。

また、プーチン氏が到着する前に、ハルビンの街で事前調査を行うロシアのセキュリティ担当者らの様子を映した動画もネットに出回っている。

さらに、プーチン氏の移動ルート上にある街の監視カメラまで黒い布で覆われたことを示す動画も見られる。

そのような物理的なセキュリティ強化に加え、ネットユーザーは「プーチン氏の訪中」について議論することが制限されるなど、ネット上でも厳しい言論統制が行われていた。

ハルビン市の学校は、「子供の発言に注意し、敏感なワードを口にしないよう」監視を強く求める「通知」を生徒保護者宛てに送信していたこともわかった。

(「迷惑だ!」と訴えるハルビン市の現地住民による投稿)

(「迷惑だ!」と訴えるハルビン市の会社職員による怒りの投稿)

(プーチン氏の訪問が予定されていたハルビン工業大学内の様子)

(プーチン氏が到着する前にハルビンの街で事前調査を行うロシアのセキュリティ担当者たち)

(プーチン氏の移動ルート上にある街の監視カメラが黒い布で覆われるところ)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!