中国 今も進まぬ被害者への補償

銀行職員が顧客の預金を横領、中国河南省

2024/05/16
更新: 2024/05/16

「あなたはそれでも(中国の)銀行にお金を預ける勇気がありますか?」

このほど、中国河南省の銀行職員が顧客の預金を横領したことが中国メディアによって報じられ、関連トピックスが中国のSNSでトレンド入りした。

同様の事件は、過去にも何度も起きており、類似事件では「今も進まぬ被害者への補償」が目立つ。中国の国内銀行への不信感が民間で広がっている。

今月14日、河南省周口市項城市に住む李さんは、湖北省のラジオテレビ局の番組「経視直播」に対し、「姉が2年前に周口市にある地銀に預けた預金計30万元以上(約650万円)が銀行職員によって横領された」と訴えた。

「調べると、横領した銀行員は姉のサインを偽造するなどして、預金を3回に分けて引き出していたことがわかった。預金がなくなったことに気づいた姉は、銀行へ乗り込んで説明を求めると、同職員は『お金はあなたから借りたものだ』という、ありもしないことを主張した」という。

その後、なんとか7万元(約150万円)近くを返してもらったが、残りのお金はいまも返って来ないのだという。

現在、横領した職員は警察に逮捕されている。銀行の上級職員は中国メディアに対して、

「横領をした職員は昨年退職している」

「被害額についてはまだ調査中」と答えている。

中国メディアによる報道が出た後、この話題は15日に中国SNSでホットリサーチ入りし、同様の被害を訴える預金者が続出している。

「なぜ預金者のお金がこうも簡単に横領されてしまうのか? 銀行の管理体制はただのお飾りなのか?」といった銀行への批判が殺到した。

なかには「預金を使い込まれてから、銀行を訴えてもどうにもならない。こんなニュースはもう見飽きたよ」といったコメントもあり、中国の国内銀行への不信感が民間で広がっている。

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李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!