アジア太平洋経済協力会議(APEC)に出席するため、中国共産党(中共)の首魁・習近平は14日にサンフランシスコに到着した。
習近平を出迎えるべく、中共領事館は今回も金の力で大勢の「サクラ役者」を雇った。「無料旅行」や「日給」をエサに、金銭の力を使って在米の華人を誘致し、指定場所へ行かせて、中国国旗を振らせているのだ。
食費や日当つきの「無料旅行」
APEC開催前夜、中国SNSウィーチャット(微信)の在米華人グループチャットに、あるメッセージが投稿された。
「歓迎する『仕事』あり。水・木・金曜日の3日間だけ。日当は100ドル(約1.5万円)。行きたい人は、ご連絡を」
大使館が雇った「サクラ役者」たちは、団体で行くと目立ちすぎるため、小グループに分かれて移動した。飛行機から降りた後は、専用の「お迎えの車」に乗り込んでいったと目撃した陳情民が明かしている。
「航空券のほか、食事や宿泊費は領事館が払ってくれる。滞在する期間も自分たちで決められるし、記念撮影もできる」。つまり、これを機会に「無料で(サンフランシスコへ)旅行ができる」というのが「売り」だったようだ。
(「真っ赤っか」の中国国旗の陣営は、ほとんどが金銭で雇われたサクラだ。国旗などの「小道具」は、もちろん主催者側で用意したもの)
報酬の違いで「もう仲間割れ」
しかし、このサクラたちが、もう「仲間割れ」していることが華人圏の間で話題になっている。仲間割れの原因は、ただ一つ。「もらう金額が違うからだ」という。
NTD新唐人テレビのキャスターである陳暁天氏によると、次のような事情らしい。
「習近平を出迎えるサクラたちは、食事も宿泊もタダで、日給400ドル(約6万円)と約束されていた。ところが、実際に手に入ったのは、人によって200ドルや100ドルだったり、なかには、まだ一銭ももらっていないという人もいる」
「(彼らは)イベントの組織者が横領して、自分たちへの日当に手を付けたのではないか、と疑っている。(約束通り)金を払わないなら、反対陣営に立って横断幕を広げるぞ、と揚言する人まで出てくる始末だ」
「はした金」で雇われた役者たち
14日午後、習近平が宿泊するホテルの前で取材するNTD新唐人テレビのカメラの前で、ある抗議陣営の華人女性が、目の前を通る赤い中国国旗を手に持つ団体に向かって「(あの人たちは)全部ウソだ」と叫んだ。
「あの人たちは、ニセモノだ。ウソつきの集団だ!(中国の悲惨な)現実を覆い隠して、まるで泰平であるかのように取り繕い、世界中の人々を欺こうとしている!」と、眼鏡をかけた華人女性は叫ぶ。
現場にいた他の抗議者たちも「あっちで中国国旗を振っている人たちは、雇われた役者だ。はした金をもらって、ここに来ているだけだ」と、その真相を明かしている。
「ここまで来る道のりを、あの人たちと一緒に歩いて来た。彼らは『日当は200ドルだ』と自分で言っていたよ」
つまり、わずかな金銭のため来ている「彼ら」でさえ、実は習近平を歓迎するこの芝居が、いかに馬鹿馬鹿しいものかを知っている。だから「日当は200ドルだ」と、自分でしゃべるのだ。
言うまでもないが、寄せ集めの「赤い旗」の陣営のなかに、自分の信念によって来ている人間は一人もいない。
中共に反対する陣営にこそ、確固たる信念とゆるがぬ正義感、そして本当の愛国心をもったチャイニーズが集まっている。
(目の前を通過する「赤い旗」の陣営に向かって、「あんたたちはウソだ。ニセモノだ!」と声を上げる陳情民の女性)
(「あの人たちは、はした金をもらって、ここに来ているだけだ」と、親共陣営の内幕を暴露した陳情民の女性)
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