台湾人の85.3%が「中共の一国二制度に反対」 台湾での世論調査結果から

2023/11/01
更新: 2024/01/10

今月26日、台湾で対中政策を担当する大陸委員会は最新の世論調査を発表した。それによると、台湾人の85.3%が、中国共産党が提示する「一国二制度」の台湾方案に反対していることがわかった。

また「台湾の民主を守るために、政府の自衛力強化の方針を支持する」と答えた台湾人は、89.6%に上った。

この調査は大陸委員会の委託を受けて「政治大学選挙研究センター」が10月19日~23日の期間中に、1077人の台湾人(20歳以上)を対象に電話を通じて実施したものである。今回の調査は、大陸委員会が今年実施した定例世論調査の3回目に当たるもので「信頼水準は95%」とされている。

在日の台湾人も懸念する「親共政党の勝利」

世界が注目する「台湾総統選挙(2024年1月13日)」まで、すでに3カ月を切った。

日本に在住する台湾人のTINAさんは今月23日、エポックタイムズの取材に対して「海外にいる我われ台湾人は、祖国の選挙の行方を非常に懸念している」と、その内心を打ち明けた。

以下が、TINAさんのコメントである。

「来たる台湾総統選挙で、もし親共政党(国民党や民主党)が政権を奪還することになれば、世界的な惨禍となるだろう」

「台湾の最大野党・国民党に所属する馬英九氏(前総統)が政権を握っていた8年間、世界の他の国のように、台湾も中国共産党の仮面やその嘘に騙されて警戒心が薄れていた。そのせいで、中共による金銭や経済の誘惑、虚偽の情報などによって(台湾人が)洗脳されてしまった」

「さらに、長期にわたる各種の浸透工作の結果、中国共産党が望んだ通り、台湾の2つの政党が親共に傾き、団結するべき台湾が分断された。これら(台湾の)親共政党の行動が、結果的に、我われの敵である中共の思う壺にはまっているのを見ると、私は本当に悲しい」

「彼ら(親共政党)には、なぜ見えないのだろうか。私たち(台湾)に向けられた中国のミサイル。香港での一国二制度の崩壊。新疆の強制収容所。新型コロナをめぐる悪質な隠蔽。法輪功に対する迫害や臓器狩り。こうした中国人民の身に起きた苦難に、なぜ親共政党は目を向けないのだろうか」

国民党よ「戦った歴史を忘れたのか」

「これら全ての災難を作り出した中国共産党の虚言を、どうして信用できるというのか。かつて中国国民党が、いかにして中国共産党に騙され、この台湾へ敗退したのか。その歴史を、完全に忘れたというのだろうか」

「権力を奪取するために、この2つの親共政党(国民党と民主党)は間違いなく合併するだろう。そうなったら台湾の総統選挙にも影響を及ぼすことになる。いま台湾の内部はひどく浸透され、中国共産党のスパイがたくさんいる。そのような現状を、私たち在外の台湾人は本当に懸念している」

「私たちは、その身は外国にあっても、心は祖国とつながっている。状況が許せば、私も、私の周りの多くの台湾同胞も、みな台湾の民主と自由を守るための1票を投じるため、台湾に戻るつもりだ」

「航空券がどれほど高くても構わない。お金はなくなってもまた稼ぐことができるが、国がなくなればもう終わりなのだ。香港の先例もある。台湾の民主と自由を失いたくない。自分たちのためにも、未来の世代のためにも、台湾の自由と民主を守りたいのだ」

日本在住の台湾人、TINAさんのコメントは以上である。

中共の「だまし絵」に騙されるな

TINAさんのコメントにもあるように、かつて中国大陸で毛沢東の中共軍を相手に壮絶な戦闘をしてきたのは、蒋介石率いる国民党軍ではなかったか。そのことを、本当に忘れてしまったのだろうか。

中共と戦った国民党が、いまや台湾の「親共政党」の筆頭になってしまったという構図は、歴史における巨大な「だまし絵」に、まんまと嵌められたとしか言いようがない。

中国共産党は今、ポーズとしては武力による台湾侵攻を声高に叫んでいるが、実際に、その金はない。だとすれば、中共は第一に「最も金をかけずに、台湾を手中に収める方法」をとろうとするだろう。

つまり「台湾が、いつの間にか親共政権になり、中共の勢力下に自分から入って来た」というのが、中共にとって最も望ましいのだ。

先述のTINAさんも「権力を奪取するために、この2つの親共政党は間違いなく合併するだろう。そうなったら台湾の総統選挙にも影響を及ぼすことになる」と述べて、そのことを非常に懸念している。

中共の「だまし絵」に騙されてはならない。それは台湾ばかりでなく、日本も同様である。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。