米空軍のマイク・ミニハン大将は、おそらく2025年に台湾有事が起き、米中間の紛争が始まる可能性があるとするメモを空軍内で共有していた。ミニハン氏は年内に最大限の戦闘態勢を準備するよう部下に指示していた。
メモ内容がソーシャルメディアに流出し、米各社が28日に報じた。米国防総省報道官はメモの真偽を問うと「ミニハン大将が送ったのは事実だ」と回答したという。メモの日付は来週2月1日となっている。
「私が間違っていることを願うが、直感では、我が国が2025年に戦闘に入ることになる」とミニハン氏はメモの冒頭に書いている。習近平政権にとって、2024年の台湾総統選挙は軍事行動の口実を与え、同年の米大統領選は混乱した米国を見せることになるだろうと分析した。
メモには「習近平の組織、動機、機会のすべてが2025年に調整されている」と強調している。ミニハン氏はこの状況を受けて「中国を抑止し、必要であれば打倒するために、空軍と統合軍の即応性、統合性、機動性を高める」と述べた。
また、日本の九州地方から沖縄、台湾、南シナ海全域を含む「第一列島線のなかで戦闘して勝利する」ための統合部隊が必要だと強調。2月末までに、中国との戦いに備えた主要な取り組みを報告するよう求めた。
ミニハン氏は現在、空軍航空機動司令部の司令官を務め、21年まで米インド太平洋軍の副司令官だった。
台湾に対する米国の関心は高まっている。中国共産党政権は昨年8月、ペロシ下院議長(当時)による訪台後、大規模な軍事演習を行った。一部の専門家は台湾侵攻の予行演習ともみなしている。
ミニハン氏のコメントを受けて、トム・コットン上院議員は「米軍は増大する中国の攻撃性にいつでも対応できるようにしなければならない。ミニハン将軍の考え方は正しいし、官僚政治をやめ、追いついていかなければならない」と述べた。
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