米国とイスラエルが共同でイランへの空爆を実施し、最高指導者ハメネイ師が死亡した。わずか一日でのイランの激変は、中東および世界情勢に大きな影響を及ぼしている。中国外交部は声明を発表し、米国とイスラエルの行動を強く非難した。専門家は、ハメネイ師の死は北京にとって「唇亡歯寒(唇滅びて歯寒し)」の状況をもたらし、その対外拡張戦略は重大な挫折を味わうことになると指摘している。
現地時間3月1日、イラン国営テレビ(IRIB)は、最高指導者ハメネイ師が死亡したことを確認した。享年86歳であった。
2月28日早朝、米国とイスラエルは「エピック・フューリー(壮絶な怒り)」と銘打たれた軍事作戦を突如発動。ハメネイ師の住居や事務所、高官の集結地、核実験基地などの主要軍事施設に対し、精密な空爆を行った。
直後、ハメネイ師が爆死した可能性が高いとの情報が流れたが、イラン側はこれを否定。「数分後」にハメネイ師が演説を行うと断言していた。
中国共産党は「古くからの友人」を強力に支持し、国営新華社通信はイラン側の主張をそのまま報じた。しかし、数時間が経過してもハメネイ師の姿が現れることはなかった。
その間、イスラエルのネタニヤフ首相と米国のトランプ大統領が相次いでハメネイ師の死亡を確信していると表明。最終的に、イラン側も隠しきれなくなり、訃報を公表せざるを得なくなった。
台湾国防安全研究院の研究員、沈明室氏は次のように分析する。「指導者の死去や革命防衛隊の多くの高官の死は、イラン国民による政権打倒の動きを後押しするか、あるいは革命防衛隊の戦意を喪失させる可能性がある。もしイランの政権交代が起これば、中東情勢全体、ひいては世界に多大な影響を与えるだろう」
沈氏はまた、イランの国家テロリズム政権が崩壊すれば、ハマスやフーシ派などのテロ組織は後ろ盾を失うことになると指摘する。親米的なイラン政権の誕生は、北京にとって間違いなく手痛い挫折となる。
「親米政権の誕生により、中国(共産党)は中東における戦略的拠点を失う。世界的な強権国家を目指す中国の野望にとって、大きな障害となるだろう」と沈氏は述べる。
さらに沈氏は、中東情勢の変化が世界的な構図にも影響を及ぼすと話す。イラン問題に決着をつけた後、米国はプーチン大統領に停戦の圧力をかけ、その矛先を中国共産党に集中させることになるという。
「現在、いわゆるドミノ倒しが始まっている。ベネズエラに始まり、イランが続き、次はおそらくロシア、そして中国(共産党)へと波及するだろう」
ベネズエラの独裁者マドゥロ氏もまた、北京の「古い友人」である。今年初め、米軍は深夜の奇襲作戦でマドゥロ氏を拘束した。今回のハメネイ師の死により、中国共産党はさらなる孤立を深め、まさに「唇亡歯寒」の恐怖を感じている。
著名な政治評論家である陳破空氏はこう語る。「トランプ大統領と米軍の矛先は、まだ北京や中南海、習近平、共産党へ直接向けられてはいない。しかし、彼らが世界中に広げた手足と布石を次々と断ち切っている。ベネズエラとイランはともに石油大国であり、中国共産党はエネルギー資源と経済の命綱をこの二国に依存してきた」
陳氏によれば、現在ベネズエラの石油輸出はすでに米国の管理下に置かれている。もしイランがその後に続けば、中国共産党のエネルギーおよび経済の急所を米国に握られることになる。
「同時に、習近平が進める『一帯一路』の世界戦略も打撃を受けている。中南米の拠点であったベネズエラと、中東最大の拠点であったイラン。一帯一路はトランプ大統領によって切断されたに等しい」
予定では、トランプ大統領は3月末に訪中することになっている。今回のイラン高層への「斬首」作戦は、北京の上層部に対する強烈な「手土産」となった形だ。
「トランプ氏が北京を訪れる前に中国共産党の手足を封じたことで、習近平は極めて気まずい立場に置かれた。今後、貿易交渉やその他の合意が進められる際、習は譲歩を迫られ、トランプ氏が大きな勝者となるのは明白だ」と陳氏は指摘する。
ハメネイ師以外にも、革命防衛隊のパクプール司令官やナシルザデ国防相を含む多くのイラン高官が命を落とした。
イスラエル国家安全保障の高官が米フォックス・ニュースに語ったところによると、約40人のイラン高官が殺害された。今回の作戦は、近代戦争史上最大規模の「斬首作戦」の一つとされている。
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