中国当局、内部文書で「国民にとことん感染」…体制維持危ぶまれゼロコロナ放棄か

2023/01/05
更新: 2023/01/05

「国民にとことん感染させる」ーー。中国政府の新たな政策がネット上で噂になっている。大紀元が入手した中国政府の内部文書によると、当局は3年続いた厳しい封鎖により体制維持が危ぶまれたと指摘。政権崩壊を防ぐため、厳しい感染対策ゼロコロナの放棄を選んだという。

中国共産党(中共)上層部が地方政府に出した「指示文書」によれば、政権維持のためにいち早く経済活動を再開するよう要求。そのために「国民には『とことん感染』させていち早く感染ピークを乗り越え、両会(今年3月開催予定の中国人民政治協商会議及び全国人民代表大会)前には集団免疫を獲得」させるよう指示した。

政策の急変に国民は準備が整わず、中国社会は混乱に陥った。政府の指示を受けた地方政府や企業はあわてて「新方針」を導入したが、コロナ感染しても出勤する職員が相次いだ。医療系統は感染爆発に追いつかず、薬不足も深刻化し、多くの死者が出ている。

上海の政府機関で働く宋さん(仮名)は昨年12月27日、大紀元の取材に対し、上海市の感染拡大ペースについて上層部から叱責された、と明かした。

「現在、上海ではほとんどの人が感染している。それにも関わらず、中央の監視チームから『上海の感染拡大ペースが遅い、もっとペースを上げろ』とのお叱りを受けた」

宗さんによると、「多くの人が死んだ」という報告に対しても、上層部は「できるだけ感染させろ、死ぬ人は出来るだけ早く死なせるが良い」という方針を貫いている。「3月には生産活動を再開しないと、もうやっていけない」ほど、上層部は焦りを見せているのだという。

上海市の西側に位置する江蘇省無錫市でも、市の政府関係者が、江蘇省当局から「感染拡大のペースが遅い!」と叱られたと暴露したことが話題となった。その際当局は、「3月までにほとんどの人が感染すれば、経済は正常に戻る」と述べたという。

中国では、財源不足により年金制度の維持が難しくなっており、中央政府も政権維持が危機的状況を迎えている。当局はこれらを打開するため、国民に高い感染力を持つ変異ウイルスに「とことん感染」させて自然免疫獲得を重視し、経済活動を早急に再開させる方針のようだ。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
王天雨