[モスクワ 8日 ロイター] – 米国務省のプライス報道官は8日、米ロの新戦略兵器削減条約(新START)の履行を促進する2国間協議委員会(BCC)の協議再開についてロシアと合意したと明らかにした。「近い将来」に会合を開くと語った。
ロシアは今年8月にウクライナ侵攻を巡る西側諸国の対ロ渡航制限を理由に、新STARTに基づく核関連施設の査察受け入れを停止。ただ、条約の規定は守るとしていた。
プライス氏はウクライナ侵攻を受けて導入した措置について「ロシアの査察団が米国で新STARTに基づく査察を行うことを妨げないとロシア側に明確にした」とし、「BCCの会合によって査察継続が可能になることを期待する」と述べた。
米ロの戦略核兵器の配備数を制限する新STARTは、2011年に発効した。
BCCは年2回会合を開くことが定められているが、21年10月を最後に開催されていなかった。
プライス氏は米政府が「建設的な協議」を望んでいると述べたが、開催時期や場所には触れなかった。
ロシア紙コメルサントは先に、会合が中東で行われる可能性があると報じた。従来の開催地であるスイスはウクライナ戦争を巡ってロシアに制裁を科したため、ロシアはもはや中立とは見なしていないという。
事情に詳しい関係者は、BCCの会合はエジプトのカイロで開催される見込みだと述べた。
プライス氏は「米ロ間の対話で何が達成できるかわれわれは現実的だ」とした上で「協議ではリスク削減に重点を置いてきたが、両国がメッセージをやり取りし、対話する能力が弱まらないよう注意を払ってきた」と述べた。
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