アフリカで進むファーウェイ依存 検閲機能が人気=独メディア

2022/02/15
更新: 2022/02/15

欧米では中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ、Huawei)の製品を排除する動きが広がる中、アフリカ諸国は同社製品への依存を深めている。競争力のある価格のほか、その検閲機能が人気の一因だという。独メディア、ドイチェ・ヴェレが報じた。

アフリカでは同社製品は4Gネットワークの約7割を占めていると推定され、多くの国に5G技術のパートナーとして選ばれている。

オランダのユトレヒト大学倫理研究所のArthur Gwagwa氏はドイチェ・ヴェレに対し、「アフリカの指導者は目に見えないデジタル分野の危険性を理解していない」と指摘した。

同氏は、中国当局が2017年に導入した「サイバーセキュリティ法」は、ファーウェイのユーザーに潜在的な危険をもたらしたと指摘した。同法は中国企業に秘密情報の収集を義務付けている。

「個人情報を政府に提供するよう、企業にバックドアの設置を求めるための法律だと、私を含む一部のアナリストは解釈している」という。

ファーウェイがアフリカで人気の理由は、「権威主義的なアフリカ諸国の政府は、ファーウェイ設備に備わる検閲機能にメリットを感じているからだ」とGwagwa氏は指摘した。

19年、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)はファーウェイがウガンダやザンビアで政府高官のスパイ活動に協力していたことを暴露した。ファーウェイの協力により、両国政府高官の政敵の逮捕につながった。

米国は20年、ファーウェイと中興通訊(ZTE)を「安全保障上の脅威」と正式に認定し、ファーウェイ製品の排除を呼びかけている。

英国や一部のEU国家は通信インフラからファーウェイ機器を排除する法律を制定した。リトアニア政府は、国民にファーウェイの携帯を使用しないよう呼びかけている。

(翻訳編集・李凌)