松野官房長官は14日の記者会見で、ウクライナ情勢は予断をゆるさない状況であるとし、約150人の在留邦人に対し、民間の航空便が運行停止が広がる前の退避を呼びかけたと述べた。キエフの日本大使館も職員の出国に伴い機能を縮小する。
ウクライナの隣国ベラルーシでロシア軍による演習が行われ、黒海にロシア軍の艦艇が進入するなか、松野氏は「事態が急速に悪化する恐れが高まっている。重大な懸念を持って注視しており、高い警戒感を有している」と述べた。
政府は国家安全保障会議(NSC)の4大臣会合を同日に開き、ウクライナ情勢について協議した。出席した松野氏によると、会議では関係省庁から情勢に関わる報告を受け、関係閣僚の間で現状認識を共有した。
ウクライナ現地の邦人に対して、外務省は11日に同国全土の危険レベルを4に引き上げ国外退避を勧告した。同日、官邸内に連絡室を、外務省に対策室を設置した。
松野氏は「政府はかねてより在留邦人の安全確保を最優先に取り組んでおり、直ちに出国を呼びかける領事メールを累次にわたり発出するとともに、個別に電話連絡を行うなど、粘り強く退避の呼びかけを行なってきた」と強調した。
そして、商用便の停止の動きが急速に広がる恐れがあることから、直ちに退避することを勧告していると述べた。
在ウクライナ大使館は不足の事態に備え、一部を除く館員を国外退出させたという。大使館の機能を縮小し、領事業務などに限定する。
ロシアへの対応については、具体的な政策に言及することを避け「ウクライナの主権及び領土の一体性を一貫して支持し、G7を始めとする国際社会と連携して適切に対処していく」考えを示した。
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