「西安政府、全く人間性ない」コロナ政策批判の幹部に免職処分 

2022/01/09
更新: 2022/01/09

中国当局は、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の流行で都市封鎖が続いている西安市を巡る言論統制を強めている。

当局はこのほど、西安市の感染防止政策に関してネット上で投稿を行った複数の市民を「騒動挑発罪」で拘束した。帰国華僑らを束ねる政府機関、中華全国帰国華僑聯合会(中国僑聯)の幹部1人に対し、「違法な言論」を行ったとして免職処分にした。

西安市当局は5日、市民に対して都市封鎖が行われている市内の様子などを映した動画や、ゼロコロナ政策に関する「ネガティブな情報」「うわさ情報」の投稿を禁じるとした。当局は、SNS微信(ウィーチャット)上で公表した通達で、すべてのグループチャットを「監視・検閲をしている」と警告した。

これに先立ち、市警察は4日、ネットユーザー3人を、微信上で「侮辱的な言葉で不当な言論を行った」とし、「騒動挑発罪の容疑で行政拘留した」と発表した。

うちの1人が投稿した動画で「寄贈された防疫物資なのに、2400元(約4万3500円)を払って買った」との不満を漏らした。警察当局は「この情報はでっち上げだ」とした。

西安市民が5日、当局の通達を受けた後、微信上ではゼロコロナ政策についての投稿がなくなった。

いっぽう、中国僑聯は6日、同聯合会の基層建設部組織処の宋汶洮・副処長が微信上の個人アカウントを通じて、西安市を巡って「デマを流した」として、同氏に免職処分を科したと公表した。

公表によると、宋副処長は微信の個人アカウントを通じて、『西安市民の悲しみ:なぜ違法とわかっていても、死の危険を冒して西安を逃げ出そうとするのか』と題した投稿を掲載した。

中国僑聯は、宋氏は「西安での隔離措置の費用は少なくとも5000元(約9万円)」「理不尽に医療体制をストップした」「住民に食べ物がまったくない」などの「デマ」を流したと批判。

中国僑聯は、宋氏の「人間性の全くない西安市政府」「西安市は他の地域よりも、市民の自助行為を厳しく禁じている」「西安市民が今最も心配していることはコロナに感染して死ぬことではなく、感染する前に餓死・病死することだ」などの主張は「事実ではない」とした。

当局は、宋氏の言論について「サイバーセキュリティ法」などに重大な違反をしており、「違法で有害な情報だ」と非難。

昨年12月下旬、西安市当局が都市封鎖を実行し、市民1300万人に外出を禁じた。市民らはネット上で、家に食料の備蓄がなく、市政府の食料提供も不十分だとし、「お腹が空いて死にそうだ」と相次いで投稿した。

当時、出稼ぎ労働者3人が西安市から「逃げ出し、徒歩などで故郷に帰ろうとした」と報じられた。3人はいずれも拘束されたという。

(翻訳編集・張哲)