中国駐大阪総領事館は昨年12月2日、「美食」や「美女」などを売りにした「日本人限定」の新疆ツアーの募集を始めた。同ツアーの募集は現在、終了しており、総勢1028人の応募があったという。
中国駐大阪総領事館は「ここ数年、新疆をめぐるデマや噓が後を絶たず、大きな誤解を招き、新疆や中国のイメージを大きく損なった」とし、「新疆に関する事実を自分で確かめていただくために」ツアーを企画したと説明した。
ツアーの実施に関しては、「コロナ収束後に調整する」とした。
いっぽう、「これまで新疆について悪意的な報道を多くしてきた」ことを理由に、日本メディアのツアー同行取材を「お断り」した。
情報発信に関しては、「基本的に参加者自身のセルフメディア」と限定している。
同ツアーの旅費は原則は参加者の自己負担だが、「領事館の資金援助がどうしても必要な場合」は、書面をもって申請するようにと記されている。
日本のネット上では同ツアーに関して、「良からぬ目的があるのではないか」「あからさまなハニートラップ」などと懸念する声が多く見られる。
これを受け、中国総領事館は「全てがオープンで透明性のあるツアーだ」と回答した。
新疆ウイグル自治区での人権弾圧が欧米の主要メディアで多く報じられているなか、中国外交部は一貫して「新疆でのジェノサイド(大量虐殺)は存在しない」と主張している。
米国在住の時事評論家の唐靖遠氏は、「これは外国人に中国の物語を語らせるための、中国当局の対外宣伝戦術である」と指摘。
「一見、外国人が自由に感想を発信しているように見えるが、実際、参加者が見たものは全て、中国当局が見せたいものであり、全て最初から仕組まれたものだ」とした。
ネット上では「G7で唯一非難の声を上げていない日本人を招いて正当性をアピールするつもりか」「良いところだけを見せる団体ツアー」などの投稿があった。
(翻訳編集・李凌)
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