[ニューデリー 6日 ロイター] – ロシアとインドは6日、プーチン大統領の訪印に合わせ、通商と防衛に関する複数の合意に調印した。60万丁を超えるロシアの自動小銃カラシニコフをインド国内で製造する案件などが含まれており、米国がインドに対する制裁措置を導入するリスクがある。
ロシアのプーチン大統領は、ラブロフ外相とショイグ国防相と共にインドを訪問。両国は軍事・技術協力協定を2031年まで延長し、二国間貿易の年間規模を25年までに300億ドルに押し上げることで合意した。
会談後に発表した共同声明で、両国は「軍事機器の製造を巡る共同開発を含む防衛協力の強化」を強調。ロシアは自動小銃カラシニコフ「AK─203」のインドでの製造に加え、インドに対する地対空ミサイルシステム「S─400」の供給継続にも関心があるとした。
インドのハルシュ・ヴァルダン・シュリングラ外務次官によると、両国は鉄鋼、造船、石炭、エネルギーなどの部門に関連する合計28の投資協定に調印。S─400については、18年に結ばれた契約が実行に移されているとし、「供給は今月開始され、今後も継続する」と述べた。
インドがロシアと結んだ契約は、ロシアの軍事装備品の購入を阻止する17年の米国の法律に抵触する可能性があり、米国がインドに対する制裁措置を導入するリスクがある。
エネルギー面では、ロシア石油大手ロスネフチがインドに対し22年末までに最大200万トンの原油を供給する契約に調印。このほか、インドの鉄鋼産業を支援するためにロシアが石炭を継続的に供給することでも覚書が調印された。
プーチン大統領はロシアの米国などとの関係の緊張が高まる中、インドを訪問。ニューデリーで行った首脳会談では通商問題のほか、アフガニスタン情勢などについて協議した。
インドのメディアによると、プーチン大統領は会談の冒頭で「テロリズムとの戦いは違法薬物の売買と組織犯罪に対する戦いでもある。この意味で、われわれはアフガニスタン情勢を懸念している」と表明。モディ首相は、インドとロシアは独特で、信頼ある関係を築いていると述べた。
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