戦車、自走砲続々と…九州に機動展開 陸幕長「迅速かつ整斉円滑」と評価

2021/10/19
更新: 2021/10/19

陸上自衛隊は18日、大規模な部隊を遠隔地まで速やかに移動し、展開する「機動展開等演習」の様子を一部公開した。陸上自衛隊を統括する吉田圭秀・陸上幕僚長は「迅速かつ整斉円滑な機動展開ができた」と評価した。

演習では、3コ師・旅団に当たる約1万2000人の人員と約3900両の車両が同時期に九州の演習場に展開した。遠距離の輸送には米軍や海上自衛隊、そして民間の様々な交通手段が使われた。高速道路を使った陸路だけでなく、戦車等の重装備は船舶を使い、演習場まで海上輸送された。

船舶から揚陸される90式戦車(陸上自衛隊提供)

途中通過ポイントとなる自衛隊駐屯地は、演習地へ赴く部隊のために給油や食料、宿泊施設の提供を行った。

機動展開は「迅速かつ整斉円滑」=陸幕長

この機動展開は、9月15日から11月下旬にかけて10万人の隊員が参加する「陸上自衛隊演習」の一環。10月14日、吉田圭秀・陸上幕僚長はこれまでの成果を踏まえ、「陸上総隊司令部が各部隊に対する出発時期や前進経路を綿密に統制したことで、迅速かつ整斉円滑な機動展開ができた」と評価した。

作戦を行う地域と経由地の間には通信の基盤を構築し、作戦に必要なコンテナ約800本を輸送した。さらに、海上自衛隊の輸送艦や、米空軍の揚陸艇をも用いた輸送を行うことで、連携を強化した。

今後は航空自衛隊の輸送機を用いた患者の輸送訓練を行う予定とのこと。

吉田陸幕長はまた、演習を通していくつかの課題を発見したとし、引き続き演習を通して作戦準備の実効性を向上させていく考えを示した。

(王文亮)