4日午後、強制労働による産物の疑いがある「新疆綿」の使用停止を求めるため、『無印良品』を展開する良品計画の本社前(東京・池袋)で抗議活動が行われた。活動に参加したアジア自由民主連帯協議会の古川郁絵常務理事は大紀元の取材に対し、日本企業は人権と自由という普遍的価値観を擁護するべきであり、人権問題に対する意識を高めていく必要があると述べた。
「日本人として、日本企業がこの問題に関わっていることが最初ショックだった」と古川氏は語った。
「中華人民共和国の建国以来、労働改造というものがあった。ウイグル人だけでなく、漢民族の政治犯や、チベット人、南モンゴル人、あらゆる人々がこれまで強制収容所に収容されて、労働力とされてきたことについては知っていた。驚いたのは、世界の工場となった中国にグローバル企業が進出し、かつて本で読んだことがある強制収容所や労働改造に日本企業が加担していたことだった」。
悲惨な現状を変えるために、日本企業に働きかけようと古川氏は行動を始めた。
「いま、H&Mを含む様々な企業が声明を出したが、日本企業も後れを取らないでほしい。むしろグローバル企業となるのであれば、世界の普遍的な自由と人権を護ることをしていかなければならないのではないか」。
古川氏の努力にとって追い風となるような出来事もある。国会議員が党派を超えて団結し、中国の人権問題を非難する国会決議に向けて邁進している。そして、中谷元衆議院議員(自民党)と山尾志桜里衆議院議員(国民民主党)が中心となり、人権侵害者を制裁できる法律「日本版マグニツキー法」の制定を求めている。
この流れについて、古川氏は「やっとか、という想い」があるいっぽうで、欧米先進諸国と比して人権問題における取組みが遅れていることに情けなさを感じているという。
「(欧米諸国で)対中制裁が出ている中、日本は非難決議にとどまっている。天安門事件のあと、欧米が対中制裁をする中、日本が最初に手を差し伸べたことにより中国政府が立ち直った。日本が中国に味方して、中国を育て、このような大きくて恐ろしい国にしてしまったという責任があると思う。来年に北京冬季五輪があるが、世界中そして日本人が加担者にならないようにしないと歴史に汚点を残すことになる。広めていきたい」。
記者は中国国内で行われている臓器狩り問題についても問うた。古川氏は「法輪功の方々は臓器売買の対象となっている。恐ろしいことに、日本から臓器を求めて渡航している人がいる。これほどグロテスクなことはないと思う」と述べた。
さらに、「自分たちの命のために、他人の命を犠牲にする。しかもいくつもかもしれない、一つではないかもしれない。日本人も気づかずに、これまでにそのようなツアーに参加していることを日本人も知らなければならないと思う。法輪功の問題についても、日本人が実は被害者ではなく加担者だった。見て見ぬふりをすることは、さらに悪事に加担することになるということ。そのことをもっと日本人に知ってほしいと思う」と述べた。
(王文亮)
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