中国当局が上場企業に給付した補助金規模が昨年、過去最高水準に達したことが明らかになった。米中貿易戦争が勃発するなか、トランプ米政権は厳しく追及するとみられる。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が27日伝えた。
報道は、中国金融データ情報会社Windが公表した統計を引用した。Wind社の統計によると、昨年、中国国内経済が一段と失速するなか、中央政府と地方政府が上場企業に与えた補助金は前年比14%増の1538億元(約2兆4384億円)になった。
米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)の中国ビジネス・政治経済プロジェクト担当ディレクター、スコット・ケネディ氏は、中国当局は引き続き、補助金供与で中国企業を国際競争で有利な立場に立たせていると批判した。
ケネディ氏は、同社の統計には、「中国当局の隠れた助成金や他の非関税障壁が含まれていない」と指摘した。
昨年から行われてきた米中通商協議では、米政府は不公平な貿易慣行の1つとして、中国当局に対して産業補助金給付の停止を要求した。
5月25~28日までの日程で来日したトランプ米大統領は、27日に行われた日米共同記者会見で、中国との貿易交渉に言及し、「米の対中関税の実施で、数多くの企業が中国から撤退している。中国(当局)は多くの自国企業に補助金を支払っている」と改めて批判した。
今月上旬、米政府は2500億ドル(約27兆3713億円)相当の中国製品への制裁関税を10%から25%に引き上げた。現在、さらに3000億ドル(約32兆8455億円)相当の中国製品にも制裁関税の実施を検討している。
FTの報道によると、昨年、中国当局は企業の大規模な倒産と失業者の急増を回避するために、産業補助金の供与を拡大した。専門家は、今年も中国の景気の冷え込みが続き、当局は企業への減税措置を強化するとの見方を示した。
(翻訳編集・張哲)
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