[東京 10日 ロイター] – 経済産業省は、2050年に向けた長期的なエネルギー戦略を議論する有識者会議「エネルギー情勢懇談会」の提言を10日に公表した。再生可能エネルギーの主力電源化を目指し、原子力への依存度を低減する方針をあらためて示したが、具体的な数値目標や電源の構成比は明示しなかった。
昨年8月から8回にわたって議論し、今回の提言をまとめた。その中で、再生可能エネルギーは、価格低下やデジタル技術の発展により主力化への期待が高まっているとし、「地熱・水力などの安定した再生可能エネルギー増強のための取り組み、太陽光などの変動する再生可能エネルギーの課題解決を進める」とした。
そのために必要な人材・技術・産業基盤の強化に直ちに着手するとしている。
原子力発電については「社会的信頼性の回復が不可欠」としつつ、人材・技術の強化や「安全性・経済性・機動性に優れた炉の追求」、廃棄物処理などの問題解決に向けた技術開発が必要と指摘。依存度を低減する方針を示す一方で、現状は実用段階にある脱炭素化の選択肢と位置付けた。
火力発電は脱炭素化が実現するまでの「過渡期において化石エネルギー源はなお主力」とし、地政学的リスクへの対応に向け自主開発を継続するとしている。
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