9月16日から京都で第23回世界神経学会議が5日間に渡って開催された。台湾に本部を置く医学団体「国際臓器移植関懐協会(TAICOT)」と国内の「移植ツーリズムを考える会」は共同でブースを設置。中国では、移植臓器は「良心の囚人」から強制摘出されているとの疑いがあること等を伝えると、多くの医師がこの非人道的行為に反対する意思を示すために、署名した。
今回の世界神経学会議は第58回日本神経学会学術大会との合同開催で、3人のノーベル賞受賞者を含む多くの権威的な神経医学専門家が参加した。
「移植ツーリズムを考える会」は日本での法整備が急務と考え、国会や地方議会議員に対して、日本の臓器移植法の改訂を呼びかけている。国際臓器移植関懐協会は、2016年ノーベル平和賞候補にもなっている国際医師団体DAFOH(臓器強制摘出に反対する医師の会)が行う国連宛ての署名活動に参加し、世界各国の医師や医療関係者への賛同をよびかけている。
国際臓器移植関懐協会の呉育璘氏は、「今日に至るまで、臓器狩りはいまだ中国で続いています。民間の医学団体として、より多くの人々にこの残虐な行為が今も行われていることを知らせることは、私たちの責任だと思います」と話した。
高まる人権意識 医師から賛同の声多数
イギリス神経医学の権威であるデーヴィッド・オリバー教授は国連宛ての署名に参加し、中国で臓器狩りが行われていることを前から知っていることを告げた。そして、「臓器狩りが継続する限り中国へは絶対行かない」と強い態度で意思を表明した。
フランスから来た医学研究者は、「私はフランスから来ました。中国で臓器の強制摘出が起こっていると聞いて驚きを隠せません。非常におぞましいことです。医学に携わる人はみな中国で起こっていることを知るべきです。私にこのことを教えてくれてありがとう」と話し、快く署名に応じた。
日本の権威的医師は臓器狩りの事実を知り、国連に対し署名をするだけでなく、日本国内の法改正も必要だと感じ国会向けの署名をした。さらに、臓器狩りや移植ツーリズムの実態を地方議会議員に伝え、問題意識を高めたいと話した。
大会で臓器狩りについて初めて知ったコロンビアの医師は、「私はこのような犯罪行為を非常に憂慮しています」と心情を吐露した。また、署名に参加したアメリカの医師はこのことを自国にも伝え、より多くの人に知らせたいと話した。
(文・文亮)
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