「南極におけるオーストラリアのリーダーシップを、中国が侵している」。オーストラリアの防衛シンクタンクは最近、中国共産党政権が南極で秘密裏に軍事活動と鉱物資源の探査を進めていると指摘。領有権を主張するための既成事実を作っていると、オーストラリア政府に警告した。
オーストラリアが主張する南極の領有地は約42%で、他の7カ国のなかでは最多面積を主張する。
オーストラリアの戦略政策研究所が18日までに発表した報告書によると、中国当局は過去10年間、南極に莫大な資金を投じており、「宣言していない軍事活動と鉱物探査」の動きを拡大させている。
南極にある中国基地4ケ所のうち3ケ所と、2つの駐留地は、豪州の主張する領土内にある。また、現有の砕氷船2隻のほか新たに1隻を製造している。中国側の狙いは、漁業、観光業、交通網の建設、炭鉱・水と生物資源と考えられている。
また、報告書は、中国当局による軍事活動・科学プロジェクトが、同国の防衛目的に繋がるとの説明がついていないとし、南極地域の平和的利用を定める「南極条約」に違反していると指摘した。
また、マドリッド協定議定書の「南極鉱物資源活動規制条約」は、南極における鉱物活動を禁じているが、中国政府はこれまで、探査活動を止めたことはなく、むしろ2012年から炭鉱探査を拡大しているという。
同シンクタンクは報告書を通じて豪政府に対し、「慎重な外交、明晰な戦略でリーダーシップを発揮し、戦略的な投資で南極大陸での国益を保護」するよう求めている。
(翻訳編集・叶清)
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