中国税関、一部の豪州産石炭に輸入許可 高官「経済脅迫は効かない」

2022/01/28
更新: 2022/01/28

中国当局による非公式の豪州産石炭に対する禁輸措置は依然として解除されていないが、昨年第4四半期(10~12月期)において、中国の港で1年以上足止めされていた豪州産石炭約1200万トンの輸入が許可されたことが明らかになった。

豪全国紙オーストラリアン・ファイナンシャル・レビュー(AFR)が27日、同国の石炭輸出業界関係者の話を引用して報じた。関係者によると、中国から新たな石炭の注文は入っていない。「中国当局の禁輸措置が完全に解除されたわけではないことを意味する」と関係者は示した。

昨年第4四半期において、中国当局が輸入を承認した豪州産石炭の量は毎月増加傾向にあった。

市場調査会社Fengkuang Coal Logisticsは、中国税関当局のデータを引用し、昨年第4四半期に製鉄用コークス620万トンと発電用の一般炭550万トンの通関手続きが行われたとした。月別で見ると、10月は77.8万トン、11月に267万トン、12月には272万トンとなっている。昨年、中国の豪州産コークスの輸入量は総輸入量の11.3%を占めた。

昨年、豪州政府が中共ウイルス(新型コロナ)の発生源をめぐって国際機関による独立調査の必要性を訴えた後、最大貿易相手国である中国は、報復措置として、豪州産の石炭やワイン、ロブスター、牛肉、乳製品などを輸入制限の対象に指定した。
豪政府機関、オーストラリア貿易投資促進庁(Austrade)は、同国の農業や鉱業における貿易多様化戦略が功を奏し、中国当局の経済報復に対抗できたとの認識を示した。石炭価格の高騰や他国からの強い需要により、豪州産石炭の輸出量はこれまでの2倍以上に増えたという。

ダン・ティーハン豪貿易相は27日、AFRに対し、「より多くの国が豪州に追随して中国に立ち向かおうとしている」と話し、「多くの証拠から(中国側の)経済的脅迫は全く効かないと示された」と指摘した。

貿易相は、中国当局の石炭輸入禁止令は中国国内のエネルギー不足を招き、中国人の生活や企業の生産活動などに悪影響を与えたと非難。

(翻訳編集・李凌)