中国 中国の政局

19大で最高指導部から江沢民派を完全排除か

2017/08/08
更新: 2017/08/08

最高指導部人事の刷新を行われる中国共産党第19回全国大会(19大)が今秋に開催される。党最高指導部である「中央政治局常務委員会」のメンバー構成は目下、最大の関心事となっている。大紀元は中南海に近い情報筋から、次期最高指導部の人事案を入手した。

同情報筋によると、最高指導部7人枠の中、習近平主席、李克強首相、汪洋副総理、栗戦書党中央弁公庁主任の4人はすでに決まっている。王岐山中央紀律検査委員会主任の留任問題と胡春華広東省省委書記の最高指導部入りが焦点となっている。最高指導部入りするとみられる前重慶市委書記孫政才の突如の失脚で、1枠が空いた。

この情報が確実なら、江沢民派の劉雲山、張高麗、張徳江は現職最高指導部から外されることになる。

同情報筋から閣僚級幹部の人事情報も入手した。▼党宣伝部長の劉奇葆は同ポストから退き、副部長の黄坤明が昇格する▼最高指導部入りするとみられる中央弁公庁主任栗戦書の後任に副主任の丁薛祥が充てられる。▼広東省トップの胡春華と上海市トップの韓正は中央政府に異動し、それぞれ馬興瑞と応勇がトップの座に就く。▼軍では、現在の軍委副主席の範長龍は定年退職する。

中央宣伝部は江沢民派の権力基盤の一つで、最高指導部メンバーで宣伝分野を担当する劉雲山と中宣部トップの劉奇葆はいずれも江沢民派。習体制が発足後、中宣部は一連のプロバガンダを通じて、習氏に文化大革命擁護者(左派)の印象を定着させようと図った。習氏のイメージをダウンさせることによって、民心の離反を促す目的だった。香港メディアは「すでに習体制の政権運営に支障を来たしている」と伝えた。

現在、政権の大番頭として習近平を支えている栗戦書中央弁公庁主任は最高指導部入り後、宣伝分野を管轄するとみられる。さらに、かつての部下である黄坤明を中宣部部長に昇格させることによって、習近平主席は宣伝部門から江沢民派の勢力を完全に排除し、同部門を掌握することになる。

孫政才前重慶市トップの突如の失脚によって、次期後継者の一人と目される胡春華広東省トップの前途に暗雲が立ち込めた。一部の分析では、習近平氏はこれまで続いてきた後継者指名制度を破棄したと伝えられている。胡春華は19大で、政治協商会議の副主席に就くか、または同会議の主席に就任し、最高指導部に抜擢されると同情報筋は話す。これについて現在、まだ確実な情報がないという。

江沢民派の総本山である上海市のトップ韓正氏は中央政府で何らかの職に就くと同情報筋は伝えた。上海を任せられた韓正はそれだけ江沢民氏からの信頼が厚い。江沢民派の幹部が次々と失脚する今、韓正の黒い交友関係が取り沙汰されている。中央入りしたからといって、反腐敗運動から安全着陸したとは言えない。要職から外され、中央入りしたのち、失脚した幹部は少なくない。

人民軍では、軍内序列2位の軍委副主席范長龍(70)は年齢的な理由で、退任は確実視とされる。軍内序列3位の許其亮は昇格するという。

 2012年18大から始まった反腐敗運動を通じて、習近平氏は江沢民派の重鎮を次々と排除し、党人事に対して絶対的な発言権を握った。18大のとき、江沢民派の意向を受け入れざるを得なかったが、19大の人事は完全に習近平氏の意思が反映される。

                             (翻訳編集・高遠)