1万人以上の中国退役軍人が11日、中国人民解放軍中枢機関の前で、退役後の待遇改善を訴えて大規模なデモを行った。当局は異例に9つの省の省長をその夜、緊急に北京に入らせ、高層指導部の幹部が元軍人の代表と交渉を行い、問題解決にあたった。しかし、このほどデモに参加した後、地元に送還された元軍人が国内SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上において、地元警察当局から、今後同様なデモに参加しないようにと「訓戒書」への署名を要求されたと明らかにした。中国当局は、元軍人らが社会不安を引き起こす存在と見なし、監視を強めている。
元軍人の雷さんはこのほど、メッセージングアプリ「微信」上で河南省洛陽市公安局長春分局から受け取った「訓戒書」の写真を掲載した。雷さんは12日に北京でのデモに参加した。当局は「訓戒書」において、『中華人民共和国集会デモ行進法』によって、重要軍事施設などの場所周辺10メートルから300メートル以内で集会・デモ行進してはいけないとの規定などを挙げて、雷さんの行動は違法だとして、今後デモに参加しないよう要求した。しかし、雷さんは同「訓戒書」において、「内容はわかりました」「私本人は署名を拒否します」と書き下した。
同時に国内インターネット上では、江蘇省塩城市信訪工作聯席会議弁公室が発布し17日から実行される「全市の軍関係者に安定維持の特別監督監査実施に関する通知」がネットユーザーの間で転載されている。同「通知」によると、塩城市政府はこれまで陳情を行った元軍人やそのリーダー格の人に関する情報を集めて登録し、社会安定を維持するために元軍人らへの監督監査を強化していくとした。
米国の「自由アジア放送」(RFA)の17日の報道によると、ある元軍人は北京での大規模なデモを行った後、中国各地方政府はデモに参加した人に対して取り調べを行い、監視を強めていると話した。
(翻訳編集・張哲)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。