ロシア警官、中国人労働者に暴行 現場ビデオ公開=露メディア

2011/02/21
更新: 2011/02/21

【大紀元日本2月21日】ロシア国内の建設現場で、数十名の中国人労働者がロシア保安警備員に殴られ、雪の上を引きずり回されたビデオがこのほど、インターネット上に公開された。ロシア国有通信社RIAノーボスチ、ノーヴァヤ・ガゼータ紙など、多くのメディアがこの事件に注目している。

ロシア紙ノーヴァヤ・ガゼータによると、事件は今年の1月4日、ロシア東部ウラジオストク市のアジア太平洋経済協力(APEC)開催予定地の建設現場付近の寮で起きたという。新年を祝うために寮へ酒を運ぶ中国人労働者の手から、ロシア保安警備が酒を奪ったが、1人の中国人は奪い返して走り去った。2人の保安警備員が寮までに追いかけたが、そこにいた大勢の中国人労働者が普段から暴力を振るわれた憤りから石を投げつけ、警備員が逃げ去った。しかし、数分後、警備員が数十人の特別警官を連れて戻り、彼らはその場にいた中国人労働者たちに殴る蹴るなどの暴行を加えた。また、一部の警官は警棒を使い、負傷者を多く出したという。さらに、暴行で意識不明になった中国人が雪の上で引きずりまわされた様子や、垣根に立たされ石を投げられた様子も映像に鮮明に映っていた。

ビデオは同じ現場で働くロシア労働者が撮影したもの。同労働者はノーヴァヤ・ガゼータ紙に、現場で中国人労働者が保安警備員に殴打されることは、しばしば起きていると証言した。ウラジオストク市の市議会議員は、「保安警備員の凶暴な行為は決して許されることではない」と批判し、法的機関が事件の調査を進めていることを明らかにした。

ロシアメディアによると、中国人労働者がロシアの保安警備員と激しく衝突したのは今回が初めてではないという。昨年12月に約200人の中国人労働者が同様の衝突を起こし、ロシア当局に「就労に必要な証明書や許可書を所持していない」という理由から強制送還されていた。

一方、中国政府による同様の事件に対して、中露友好を前面にロシア当局の法的処置に従う姿勢をとってきた、と中国のネットユーザーは指摘。今回の事件でも、中国人労働者が受けた待遇に異議を唱えているのは中国メディアではなく、ロシアのメディアであることが不思議だと同ユーザーはコメントしている。

(翻訳編集・余靜)