中国は北を見捨てている? 専門家「大胆な予測に過ぎない」

2010/12/06
更新: 2010/12/06

【大紀元日本12月6日】「唇滅びて歯寒し」と言われている中国と北朝鮮の親密な関係だが、実は中国は北に対していらついている?次々と暴露されるネタで国際社会を驚かせているウィキリークスの外交公電から、「中国官員が韓国主導で朝鮮半島の統一を期待している」とのリークも伝っている。

2010年2月17日、千英宇(チョン・ヨンウ)青瓦台(大統領府)外交安保首席が外交通商部第2次官当時、スティーブンス駐韓米国大使に伝えた内容。中国の高官2人が私的な席で「朝鮮半島は韓国の主導で統一されるべきだ」と話したという。同外交公電によると、千首席は「韓国が中国に対して敵対的でない限り、中国共産党は韓国の統一を妨害しない可能性が大きい」とスティーブンス大使に話したという。

また、当時の対話から千首席は、「北朝鮮政権が崩壊する場合、中国は韓米日との戦略的・経済的利害関係を考慮し、軍事的な介入はしない」と、一般の理解と相反する予測も記録されている。

もう一つの公電で千首席は「北朝鮮に対する中国の影響力は多くの人が思っているほどではない」と話した。北京政権は経済影響力を用いて北朝鮮の政策変更に圧力をかけるよう、国際社会が期待しているが、北京はこのような意図はないという。

「多くの人の予測外だから関心を呼ぶリークだね」と米国コロンビア大学東アジア研究所所長・呂暁波氏がBBC 中国語サイトにコメントした。

呂氏は「中国官員が韓国主導で朝鮮半島の統一を期待している」との観点について、中国政府の立場を代表していると思っていないといい、読み取りすぎないようにと指摘している。「その一、中国官員がこれを言った環境がはっきりしない、一種の『無責任』発言だとしても怪しむに足らない。その二、この観点は、中国高層にこの問題に対して異なった見方と意見を持つ者がいることを示すが、中国の公式政策であることは意味しない」という。

ウィキリークスで暴露されたような「中国は北朝鮮を見捨てる」局面が現れるのか。BBCの北京駐在記者は、多くの中国専門家はこのような判断に同調しないと話した。

「中国当局が北朝鮮を見捨てるとの考えは信用できない、とアナリストらは見ている。これらの暴露公電で明らかにされたのは、北朝鮮内部にどのような変化が起きているのかについて各国の外交官は本当の情報を欠いているため、限られた情報から推測しているということだ。しかしこれらの推測は大いに間違っている」とBBCの記事は指摘した。

そのほか、北京大使館から発信された公電によると、2009年4月、当時中国外交部副部長を務める何亜非氏はスタンバーグ米国務副長官との対話で、「私たちは彼ら(北朝鮮)を好きなわけではないが、しかし隣国なのだ」と記録されている。

タイム誌の北京駐在記者ジミー氏によれば、このリークは面白いが、北朝鮮問題と中国問題の専門家たちにとって、新たなニュース価値はないという。「これらの電報は単に米国務省の文書にすぎず、情報文書ではない、最も機密度の高い米政府の査定も入っていない。散発の談話及び北朝鮮金氏政権の結束についての大胆な予測にすぎない」とジミー記者はみている。

(翻訳編集・趙莫迦)