【大紀元日本7月1日】路線バスに乗るにも、ちゃんと目を凝らさなければならない。中国南部の広東省深セン市で、正規路線バスの標識と番号を付け、車体も本物同然の「偽路線バス」が現れ、今年年初から高額運賃による不当な「操業」を開始した、と地元紙「羊城晩報」が報じた。
同報道によると、偽路線バスが扮した868号バスは市内の主要路線。利用者の多いバス停を何箇所も抱える人気路線であるにもかかわらず、わずか十数台のバスで運行している。供給が需要に追いつかないため、「偽路線バス」が隙に乗じて出現したという。
情報によると、偽路線バスの最高運賃は40元(約550円)で、正規の路線バスの4倍である。一台のバスに複数の男性「車掌」が配備され、騙されて乗車した人に運賃の支払いを強要する。
ある男性乗客は、「乗ってはじめて偽物バスだとわかったが、運賃がここまで腹黒とはさすがに予想外」と嘆いた。
別の乗客は、「正規のバスの本数があまりにも少ないため、時間が間に合わないときは、偽物だと分かっていても乗るしかない」と話した。
このような偽路線バスは今年年初から出現し始めたという。一部は堂々と「868号バス」の標識を取り付けており、バス停で正規のバスを押し出して停車させないなどの手段で客引きしている。
バス停で正規のバスを押し出して停車させない「偽路線バス」(ネット写真)
地元メディアは先月から相次ぎ関連報道を出しているが、管轄する政府機関「深セン市交通運輸委員会」は一向に取り締まりを行っていないという。
一方、偽物騒動で先日、北京で偽ATMが摘発されたばかりだった。カードの挿入口、操作ボタンなど本物そっくりだが、利用者がキャッシュカードを挿入してパスワードを入力すると、「サービス一時停止」と表示され、後日、口座から金が盗まれてしまうという。偽ATMを使って、カード情報や入力したパスワードを盗み取る仕組みだとみられる。偽バスに偽ATM、手口の巧妙な偽物被害は庶民の生活に浸透していく勢いだ。
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