中国西南部、「百年に一度」の干ばつ 二千万人飲み水難

2010/03/19
更新: 2010/03/19

【大紀元日本3月19日】川は断流、ダムは底が見え、畑は裂ける。昨年秋以来、雲南省を始め、中国西南部の大部分は相次いで大干ばつに見舞われている。特に雲南省や広西自治区の一部の地区では雨が半年以上も降っておらず、100年に一度の特大干ばつが続いている。多くの地区では人や家畜の飲用水確保が極めて困難で、被害は二千万人にも及んでいる。

一体いつになれば雨が降るのか。これは最近、幾度となく寄せられている問い合わせだ。3月16日、雲南省気象局の出した回答では、少なくとも4月15日前までは雲南省では高温で降水も非常に少ない天気が持続すると予想されている。

また、「2009/2010年雲南秋、冬、春連続干ばつ中期評価結果」によると、09年秋から同省では気象記録開始以来、最も深刻な秋冬連続の干ばつで、現在依然として持続、拡大しており、すでに秋冬だけでなく秋冬春の連続干ばつに発展している状態。

尋甸回族イ族自治県では干ばつにより40万畝(1畝:6・667アール)の秋まき作物のうち、85%の収穫が絶望的となり、約10万人と9万頭以上の大型家畜の飲用水確保が非常に困難な状態である。14日、同県で最も乾いた村と言われる河口郷岩子村では強風が吹き、空が埃に包まれた。このため多くの若木が死に、道路両側の松の葉も枯れてしまったという。いつもなら、この時期は山桃や梨の花が咲き美しい景色が見られるのに、今年は枯れ木が残るばかり、とドライバーの蒋さんは話す。

各庄鎮では給水車が水を供給し、人々はチケットを購入して水の配給を受けている。一方、山村では往復5時間もかけて水源を探す人もいるという。山道は交通が不便で給水コストが高くつく。自動車で山道を走行すると1月に2度もタイヤを交換しなければならないので、公共道路のない地域では馬や家畜が車を引いて水を供給しているそうだ。

雲南省のほか、貴州省ではほぼ全域で干ばつによる被害が現れ、中国最大のサトウキビ生産量を誇る広西チワン族自治州でも、干ばつのため生産量が大幅に減少しているという。四川省では600万人以上が干ばつによる被害を受け、130万人の飲用水が不足している。西南地区の干ばつ拡大により、北京当局は四川省で国家4級救災応急方案を発動した。

中央気象台3月15日の干ばつ観測図(ネット写真)

(翻訳編集・坂本)