<新型インフル>新たに死亡者を確認 広東省・深セン市、感染拡大

2009/11/23
更新: 2009/11/23

【大紀元日本11月23日】20日、中国南部の深セン市では、初の新型インフル感染による死亡が報告された。二日前、深セン市に隣接する広東省東莞市で、新型インフルにより男児(9歳)が死亡した。同地域の気温低下により、感染状況が深刻化し、感染のピークが早まる恐れがあると専門家は警告している。

深セン市衛生部の発表によると、控え目に予測しても、新型インフル感染者は百万人を超える見通し。専門家によると、今年広東省の気温は異常に低下しており、予測された来年1月の第2波感染が早まる恐れがあるという。

東莞、深センの両市民に取材したところ、現地のインフル感染者は急増しているとの回答だった。

東莞市の学校は深刻な感染場所

市の疾病予防センターの検査で、18日に発熱と咳の末死亡した東莞市大朗鎮に住む小学校3年生の男児から、H1N1型ウィルスの陽性反応が出た。これは12日の中2女子死亡に続く死亡例であり、男児の遺体はすでに火葬されている。

学校関係者によると、19日に開かれた会議で1週間の臨時休校が決定され、生徒は全員下校。来週木曜に生徒の家族へ学校を再開するかどうかが知らされる。生徒には公共の場所に出かけず、極力自宅で待機するよう指示が出されている。現地の教育局では、発熱を伴う風邪の症状が出た児童が15人を越えた場合休校にしなければならないという規定があり、この学校はその数をはるかに超えているという。

東莞時報によると、16日、同市では、莞城実験小学校で5例、市職業技術学校でも7例、新型インフル感染が確認された。どちらの学校も7日間休校となった。16日までの東莞市の新型インフル感染は217例。このうち集団感染は14件135例。感染した患者のうち188人が学生で、14件の感染例のうち学校は12件。波及した学生と教職員は2万4千777人。

佛山市の死亡例

佛山市衛生局19日の発表によると、18日夜、H1N1型インフル患者である58歳の男性が死亡した。同市では初めての新型インフル死亡例である。

佛山市疾病予防センターに詳細を尋ねたところ、死亡した患者は持病があったうえ、風邪を患っていた。体質的な要因もあり、病状の悪化が比較的早かったとの回答だった。

広東省衛生局の通達では、以前報告された死亡例に加え、広東省各地からは5つの死亡例が報告されている。

深セン市:少ないワクチン

20日、深セン市では初の感染死が報告された。20歳の女性感染者が入院の翌日に呼吸衰弱で死亡した。また、感染した6歳の男児が19日入院した後、脳死に近い状況に陥っている。

深セン市の会社員・薛さんは、現在の感染状況は広東省だけが深刻なわけではなく、全国のどこも似たような状況と語る。自分の職場でも多くの人が風邪をひいているが、今は新型も普通のインフルも変わらない。(感染が)始まった頃は緊迫感があり、患者は隔離されたが、今は特別に分けられることもなくなり、風邪をひけば薬を飲む。ワクチンについては数に限りがある。各省でガイダンスを設け、学校のような集団感染の恐れがあるところを優先するそうだ。「現在は事前に臨床試験することなく、全国でワクチン接種が始まっている」と、緊迫した事態を説明する。

(翻訳編集・坂本)