ロシア下院選挙前、反体制派が抗議デモ=多数の逮捕者

2007/11/28
更新: 2007/11/28

【大紀元日本11月28日】ロシアの下院選挙を前に、反体制派は大規模抗議デモを行った。指導者と関係者約200人が拘束された。専門家は、プーチン大統領の未来の政治運命と政権交代について、未知数な要素が多いと指摘、ロシア政局は不明朗になる可能性を示唆した。

ロシア憲法は大統領の連続三期の続投を禁じているが、プーチン大統領は一旦大統領を辞任して、今回の下院選挙で議員となり、3月の大統領選挙に出馬する可能性を示唆されている。反体制派はこのことの違法性を訴え、一連の抗議に出ている。

米国VOAの報道によると、12月2日の下院選挙を前に、反体制派は11月25、26日の2日間、モスクワや、サンクトペテルブルグなどの大都市で、大規模な反プーチン政権の集会を開きデモ行進を行い、数千人の支持者が参加した。反体制派は、ロシア当局が国内でプーチン大統領への個人崇拝を推進していると非難。「プーチンのいないロシアを」「プーチンの計画はロシア国民にとって鴉片(アヘン)である」などのスローガンを打ち出したため、ロシア警察の取り締まりを受けた。

完全防備の武装警察が、抗議者らを包囲し退散させた。ロシア当局は、今回の集会は故意な挑発であるとして、集会に参加した指導者と幹部らは警察に殴打されたり、身柄を拘束されたりしている。

モスクワでは、反体制派の指導者、元チェス世界チャンピオンのカスパロフ氏が警察に身柄拘束された。裁判所は5日間の禁固を言い渡した。同氏の支持者らは25、26日の2日間、モスクワ内政部で抗議集会を開いたが、警察に退散された。

支持者のミハジャホワさんは、「私がこの抗議集会に参加する目的はカスバロフ氏の釈放を要求すること。警察が彼を拘束するのは違法である。彼は歩道を歩いていた。この行動はロシアの法律に違反していない。彼には、その権利がある」と語った。また、彼女は、「プーチン大統領は12月2日の下院選挙を自分の優位になるよう仕掛けている。さらに、法律に違反して権力を利用し、自分が率いる統一ロシア党を宣伝したりもしている。同様な事例がたくさんある。多くのロシア国民は反体制派に同情・支持をしている」などと話した。

一方、モスクワ裁判所のスポークスマンは、当局が反体制派のモスクワでの集会を許可したが、デモは許可しなかったと説明した。

上記のカスパロフ氏のほか、ネムツォフ元副首相(エリツィン時代)や、著名の人権活動家、人権運動のリーダーのボノマリョフ氏、作家のリモノフ氏、右派勢力連合のベルイフ代表なども警察当局に一時拘束されていた。

米国VOAは、「プーチンが率いる統一ロシア党が今回の下院選挙で勝つ可能性は高いが、プーチン政権は依然反体制派を恐れている(中略)。プーチンの未来の政治運命とクレムリンの政権交代に未知数の要素が多く存在する中、ロシア政局も不明朗になり、予測が難しい」と報じた。

(翻訳/編集・叶子)