中国国防専門家、遺体バラバラ事件

2007/09/30
更新: 2007/09/30

【大紀元日本9月30日】中国著名国防専門家・惲小華氏(42)=南京理工大学マイクロ波エンジニアリング研究センター主任、南京大学教授=は9月12日、少し前に杭州で殺害され遺体はバラバラにされ、車の中に遺棄されたという。情報筋によると、容疑者はすでに拘束されたが、身元はまだ確認できていないという。一方、中国政府関係メディアは今回の事件に関して一切報道はしていない。

米VOAによると、被害者・惲氏は今年の中国工程(エンジニア)院メンバーの候補になっていたという。また、香港の中国人権民主運動情報センターによると、惲氏の研究項目は中国軍部の最先端の衛星、空中警告予測機および最新型航空機の関連技術に関わっており、当局はすでに調査チームを設立し、事件の真相調査に取り組んだという。しかし、政府側は情報公開していないため、政府関連メディアもこの事件についての報道はない。

*さまざまな憶測

一方、中国各地では今回のバラバラ事件に対して、インターネットのブログでウワサが広まった。その中で、もっとも多く転載された文章は被害者の兄が書いたと言われる哀悼の手紙だ。手紙の中では、惲氏が2007年9月12日に、浙江大学のキャンパス内で、パートナーに残酷に殺害されたと加害者を非難した内容がつづられた。手紙では、惲氏は窒息死させられ、証拠隠滅するために、遺体をバラバラに切断し、凄惨極まる犯罪と非難している。

手紙の中で、容疑者は地元ではしっかりした社会背景を持っているとし、浙江大学は極力質問を回避し、責任を逃れようとしたため、担当している杭州西湖刑事偵察大隊の調査が遅れを取ったと指摘した。

また、南京理工大学によると、同大学に勤めている王超教授が逮捕されたという。一方、香港の「中国人権民主運動情報センター」によると、杭州市公安局は、惲氏とかつて杭州でマイクロ波系統技術関係会社を共同に設立した王超・容疑者=香港在住=を逮捕したという。香港当局は同事件に関してコメントはしないと示した。また、ウェブ上の情報によると、昨年6月に会社を共同設立したときに、王容疑者は3千万元以上を出資し、惲氏は株主になったが、後意見に食い違いが起きたため、惲氏は株主を退いたという。さらに、惲氏は9月12日に浙江大学キャンパス内にある会社へ社用車を返した後に行方不明になった。後に、工事現場にある車の中からバラバラになった惲氏の遺体が見つかったという。

香港紙「蘋果日報」25日の報道によると、同紙は杭州市公安局に何度も問い合わせたが、情報の提供は拒否された。中国人権民主運動情報センター責任者・盧四清氏は、政府当局はこの事件の情報を封鎖していることに対して理解できないと示した。盧氏は「非常に有名な科学者であり、国防専門家の惲氏が殺害されて、すでに十数日が経っているのに、当局から一切の報道がないとは不思議だ」と指摘した。盧氏は、当局が情報封鎖したことの背後には、他の敏感な問題と絡んでいるためとみている。

*惲小華のプロフィール

1965年生まれ、江蘇省武進市出身。1996年教授に昇進し、現在、南京理工大学マイクロ波工程研究センター主任、南京大学教授を兼職している。1985年および1988年に、南京理工大学および中国科技大学学士と修士の学位を取得。主にマイクロ波とミリメートル波発振技術、発振シミュレーション技術、マイクロ波通信技術、発振率合成技術、集積回路技術などの研究を行っている。

惲氏は近年、国家級プロジェクト20項目および国家教委世紀に跨る人材基金プロジェクトに、責任者として参与している。惲氏は省部級以上4項目の科学技術進歩賞を受賞され、国内外重要発行物に20以上の論文を発表している。

(翻訳/編集・余靜)