香港メディアら、ラジオ業界への政府干渉を非難

2007/05/02
更新: 2007/05/02

【大紀元日本5月2日】香港記者協会や人権監視団体などの組織が4月29日、香港ラジオ業界の「香港・台湾を支える運動」を支持すると表明した。これらの団体は、香港特別行政区政府の公共ラジオサービス検討委員会(下略、検討委)が、香港と台湾の民間の提案を軽視し、無責任に対応してきたと非難、香港当局が公共放送の監督の名目で報道の自由を制限するのではと憂慮の声を発した。

香港人権監察団体の責任者・何秀蘭さんは、「自分と羅沃启氏が去年、政府の公共ラジオサービス検討委員会のチームに加入したが、自分たちの意見が常に無視され取り上げられなかった」と述べた。

何さんは、独立する公共ラジオ放送は民主社会の一部分であると指摘、「香港政府が『民意を得るためのラジオ放送』と称しながら、事実上政権の宣伝道具としてメディアの運営を牛耳っている。真に独立した反対の声を耳を傾けようとしない」と非難した。

何さんは、「政府の宣伝道具と化したメディアは政府の政策や方針の推進を目標とし、偏った内容を市民に伝える傾向が強い。公共ラジオ放送局はこのようなやり方はしない」と強調した。

人権監察団体の幹事長・羅沃启氏は、「検討委の作成した報告書で提案した公共ラジオの構図は、最終的にラジオ放送局を政府の宣伝道具に変貌させ、根底から独立性を保てない」と憂慮の意を示した。

香港立法会の委員・鄭経翰氏は、以前香港の商業ラジオ局で「湯飲みの中の嵐」という番組のメイン司会者を務めていた。この番組は民衆の代弁者と歓迎され、最高の視聴率を記録した。後に中共当局から圧力を受け、番組が中止された。

香港ラジオ放送局の元職員・麦燕庭氏は、香港ラジオ業界の「香港・台湾を支える運動」は、香港当局を支持するのではなく、自由と民主の精神と文化を支持するためと強調した。

また、麦燕庭氏は、以前では、香港で(政府と)異なる声があがっても、当局の関連機構から強く干渉されることはあまりなかったと指摘、「いまでは、政府の言うことに従わなければ、首が飛んでしまうのではとなる。これは事実上、香港の文化は指導者の交代により受けた影響である」と分析した。

「香港・台湾を支える運動」の署名ホームページの開設担当者、香港中文大学の李鋭華・助教授によると、当サイトの目的は、香港と台湾のメディアが金銭的な誘惑に惑わされずに、引き続き高品質の番組を制作できるよう、支援する民衆の声を集めることであり、過去4日間に、すでに800人近くが署名した、そのうち、国際社会で活躍する有名人も含まれているという。

(記者・林秀宜)