【大紀元日本5月1日】福建省泉州泉港区の化学工場から排出された廃水により汚染された地元水源からの飲用水を使用し、重金属中毒で死亡した村民が出たのをはじめ、長期にわたり被害を受けた村民ら8000人は4月20日、香港企業の工場を含む10の化学工場に対して抗議を行った。
香港アップル・デイリー紙によると、泉州泉港区は皮革、化学工場などが林立し、深刻な汚染問題を抱えている工業地区。これらの工場は元々晋江市にあったが、汚染が深刻になったため、3年前に泉港区に移転したという。
村民たちは「水が黒くなり、異臭が生じている。多くの村民は水を飲んでから病気になった。病院で検査すると、医師からは重金属中毒に関係すると言われた。村民の中には回復せずに死亡したものもいる」と語った。
海外メディアは、当日の抗議現場を目撃した人物の証言を引用し「人がいっぱいだった。汚染は非常に深刻だからだ。あまりにも大勢いだったので、自分は怖くなって参加しなかった。村民は工場の設備を一部壊したと聞いている」と報じた。
村民によると、普安村皮革工場工業地区は設立されて3~4年で、すでに水源、土地および大気の汚染をきたしているという。これに対して、村民たちは絶えず政府および環境保護部門に対して訴え続けて来たが、問題は一向に解決されないという。実際、昨年4月に村民の抗議による工場設備の破壊事件があった。当時はメディアの報道および世論の圧力下で、当局関係部門は井戸水の使用ができなくなった、もっとも深刻な影響を受けた村に対して、水道水設備を導入したが、村民たちは、それは表向きのごまかしに過ぎないとして、汚染源の改善はまったく行われていないと指摘した。
また、これに対して、普安村の村民は「昨年の水道水設備の導入は鍾●村(ゾン・チュオ・チュン)のみだった。汚染されたのは他に5~6の村があり、数万人に及ぶ。汚染問題は結局未解決のままだ」と訴えた。(●雁垂れ+昔)
情報筋によると、村民たちは昨年の抗議活動で、工場の設備を破壊したのち、地元政府は調査チームを派遣し、調査を行ったという。一方、泉州隆泰化工工場を含む11の工場は、当局に対して、連名で企業安全保護の保障、事件を起こした村民を懲罰し、経済損失の弁償を求めたという。
一方、香港「大公報」紙は4月25日に、汚染問題が起因とする村民暴力抗議事件によって、工場側は1億元(約15億2千万円)の損失を来たし、工員12人と管理者および警察5人が抗議事件で負傷したと報じた。
中国では、経済発展が各級政府関係者の業績達成の最重要尺度となり、汚染問題や環境保護について、往々にして現実性のないスローガンだけと化している。工場側の廃水による地元水源の汚染および健康に与える害に対して抗議するために、近年大陸では多くの村民による集団抗議事件が発生している。今年1月、地元の製紙工場がもたらした深刻な環境汚染に対し抗議し続けている廣西省●渓(チェン・シ)市の農民たちは、当局警察に十数人も逮捕されたという。(●山かんむり+今)
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