米国:アフリカ、アジアからの帰国旅行者にチクングニヤ熱

2006/10/03
更新: 2006/10/03

【大紀元日本10月3日】アフリカアジアの一部に観光旅行をして帰国した米国人が、蚊を媒介とするウイルスに感染しており、米国疾病予防防疫センター(CDC)は9月28日、他の地域にも蔓延する可能性があると警告した。

ロイター通信によると、欧州、米国、カナダ、マーティーク(カリブ諸島)、仏領ギアナに帰国した一部に、チクングニヤ熱(CHIKV)が2006年になって報告されており、西インド諸島とインドでかつて大流行したという。

このウイルスが最初に発見されたのは、1953年のタンザニアであり、死亡者は記録されていないものの、発熱、頭痛、疲労、吐き気、嘔吐、筋肉関節痛、発疹などの症状が見られ、全身が衰弱する。目下、有効な治療法やワクチンが発見されていない。

チクングニヤ熱は、蚊を媒介とした血中感染により、地方にも流行する危険性があり、特に米国内の熱帯地域、亜熱帯地域であるマイアミ地域、ハワイ、バージン諸島が要注意であるという。

CDCの報告によると、疑わしい症例については、地方の保健所や州当局、CDCに届けるべきであり、ウイルスが確認されたならば、蚊を媒介とする血中感染から患者を守り隔離しなくてはならない。

アトランタに本部を置くCDCは、2005年に帰国者から第一例を発見して以来、12症例を検出している。ある症例では、メリーランド州の住民が、ソマリアとケニアで三ヶ月間旅行し、2005年5月に帰国、到着後数時間して頭痛などの不快症状に見舞われた。CDCは、チクングニヤ熱と診断し、治療の結果、数週間で回復した。

2006年5月現在、これまでの2年間で、チクングニヤ熱に感染したとみられる患者30万人近くが、主に仏領西インド諸島で報告されており、モンバサ、ケニア、マダガスカル、モーリシャス、コモロ諸島でも発見されている。