【大紀元日本1月27日】モスクワの情報筋によると、ロシア国家生態監察部の生態学者らが24日、極東石油油送管建設計画の最終評価を行い、同計画を否決した。生態学者52人の内43人が反対票を投じた。ロシアから日本および中国向けの油送管建設に関する新しい計画を打ち出すまでに、同計画は当面凍結されることとなった。
生態学者らは、バイカル湖の北部沿い建設される石油油送管は、湖までの距離はわずか800メートルしか離れていないとし、万が一事故発生の際、油送管の石油が湖に流入し、湖の生態を破壊する可能性が高いことを理由に反対したという。
世界第2の石油消費国になった中国はロシアから極東への石油油送管の取得に尽力しており、ロシアも中国からのアプローチに応じ、露中のエネルギー協力関係を強化する方向に向いた。しかし、2004年、ロシア自然資源部ヤンカフ副部長は、バイカル地区環境保全会議で、中国が1994年に提案したアンガースクから大慶までのルートを否定した。
一方、日本は少し前に、75億米ドルを提示し、東シベリア新しい油田開発技術を提供する条件で、極東石油輸送管ルート争奪戦に参入した。2004年7月、ロシア工業およびエネルギー部ハリスチェンコ部長は、日本向けのナホトカ石油油送管ルート計画を肯定した。ロシアの上層部が、中国と日本の石油輸送管争奪戦に対して、ここまで明確にしたのが初めてである。
アナリストらは、プーチン大統領は極東石油輸送管問題について、これまで決断していなかったことは、露中双方の信頼関係のなさを表したと分析している。また、中国国内で頻発している集団抗議事件および海外で多く報道された、中共の崩壊などもプーチン大統領が懸念している見方を示しているとみられる。
また、ロシアは中共が戦略パートナーと称しながら、中共の経済発展に対しても警戒を強めており、原油の輸出を制御しているとみられる。ロシア側の情報筋によると、ロシアが対中共の2005年石油輸出計画は、1月26日までに700万トンの原油輸出はまだ518万トンに達していないという。
プーチン大統領は石油油送管ルート問題に対して、国家利益を獲得するために、対極東政治策略を弄くり回しているとみられる。一方、ロシアからの極東石油輸送ルートを希求する中共はこれまで実質上のメリットは得られていなかったようだ。