【大紀元日本5月20日】今年の4月23日にニューヨークのマンハッタンで行われ、4000人が参加した「4・23自由民主デモ」で、主催した「中国共産党脱党(団)者が百万人に達したことへの応援デモの準備委員会」は5月8日、北米の中国語新聞紙「世界日報」紙に、公開書簡を出した。書簡によると、委員会側が同紙にデモ予告の広告掲載を依頼した際、「九評共産党」が引き金となった脱党運動を内容とする部分を削除するようと強要され、そして何度も変更された後、結局、同紙が一方的に契約を破棄し、今なおいかなる書面による回答もないままであるという。この世界日報契約違反、5月21日が最終期限となる中国側の圧力による中国への衛星放送が停止される新唐人TV事件、中国公安部が直接関与したとの疑いのある5月14日の香港大紀元の印刷差し止め事件、および台湾野党幹部の招聘事件で海外のメディア報道を通して世界世論をコントロールする一連の動きなど、中国共産党政権の海外でのマスコミへの干渉と妨害が目に余る形となって表出している。
変化を見せる世界日報報道スタンス
20年前に、台湾最大新聞紙グループ・連合報の北米への進出により、世界日報が誕生した。当初、中国に関する真相と、より客観的な報道で海外華人層から好評を獲得、北米の中国語マスコミ圏に主要な位置を占めた世界日報であったが、5,6年前から、そのスタンスに徐々に変化が見られるようになった。
「中国アフェアーズ」の編集局長・伍凡氏によると、世界日報の報道スタンスは、特に2003年および2004年を境に、著しい変化が見られるようになった。つまり、2003年末に中共宣伝部により北京で、「中共のメディアを海外に浸透させ、海外の種々なメディアを買収する」方針とする海外メディア関する会議が行われた後のことだ。伍凡氏によると、中共はテレビ報道およびラジオ放送などを含めた海外のメディアを買収するため、莫大な資金を投入した。中国語メディア多くは目前の利益のため、その統制下に置かれるようになった。そのためそのようなメディアは従来の報道方針を変えるように至った。
伍氏は、今回の契約違反事件について、「正々堂々とした理由がなく,中共の命令に従った動きだ」と、世界日報を強く批判した。
九評を恐れ、海外における中国語メディアは中共のために、報道音を消すようにいたった
米国在住の中国語圏著名詩人・作家の黄翔氏は、世界日報が、脱党の引き金となった「九評共産党」の内容部分を削除するよう強要し、そして共産党のため、報道のナレーションの音を削除したのは、共産党が九評を恐れいているためだと指摘した。
「『九評』が世に公布されるようになってから、中共は異様に沈黙を保ち、『九評』に対する公式の報道がないのは、イデオロギーにおける全面的な挑戦および系統的かつ深刻な批判を恐れているからだ。そのため、本質から言うと、人々が共産党を恐れているのではなく、共産党が真相を人々に知られるのを恐れているのだ。『九評』は専制政治の本質および真相を暴露したため、共産党は恐れると同時に、常に警戒するようになり、十数億の中国人がその本質を知るのを恐れ、また自由世界を含めた海外での報道を妨害するように企んでいる中共の、全面的な封鎖行為も必然的な結果だといえる」と黄翔氏が言う。
世界日報と同様に、その他の海外の中国語メディアも「九評」、「百万人の脱党」のような重大事件があるにもかかわらず、関連する活動に対して片言も言及しておらず、異様な沈黙を保っている。伍凡氏によると、「それらのマスコミはすでに中共の手先になり、マスメディアとしての公正さはもう失われたも同然。もし「九評」について掲載すれば、広告費およびビジネスがなくなるため、同意のない情報は掲載しない。共産党を批判するものは掲載することができないが、共産党に同意される程度の批判なら可能などの、全く共産党の利益から自分たちの運営方針を決めようとしている」。伍凡氏は、今回の「世界日報」の契約違反、香港『大紀元時報』の印刷差止め事件および中国大陸の自由人権運動家に対する大規模な弾圧など一連の事件を、「九評」および共産党から脱退するブームに関連付けをしている。「『九評』の更なる伝播のため、脱党する人数がもっと上昇すること、そして全世界にこのことを知らせるのを恐れるため、封鎖および弾圧などの手段を講じざるをえなくなった。しかし、脱党の運動は人々が心からの行動であるため、妨げることはできない。脱党のブームは中共の滅亡を加速させ、新しいベルリンの壁の崩壊を予測しているのだ」と語った。
空中から地上までせめぎあうメディア戦争
伍凡氏は、今度の世界日報を含め、香港大紀元日報の、5月14日の印刷停止事件を、中国共産党当局の海外中国語メディアへの打圧は、空中から地上に降りてきたと、コメントした。「海外の中国語メディアのほとんどが中共の統制下におかれる現在、大紀元は真相を伝える唯一の窓口となった。空中から地上まで、そして新唐人の衛星からメディア報道まで、中共はあらゆる手段を通して封殺を試みた」。伍氏は、海外中国語平面メディアの唯一の真相を敢えて使える大紀元新聞に、支持しようと呼びかけた「これに対して、香港の良心のある富豪を集めて印刷会社を作ればいい。新唐人事件についても、衛星を購入するように呼びかければよい。私たちが最後まで動揺しなければ、共産党はどうすることもできない」。
黄翔氏も、「フランスのユーテルサット会社が新唐人テレビ局の契約を中断する事件、香港の印刷会社が大紀元新聞の印刷を差し止める事件および『世界日報』の理由のない一方違約事件は、相互に関連しあっているのだ」と語り、「中共が海外における中国語メディアへの買収および一部の西洋企業が良心および道義を放棄した結果でもある」と述べた。さらに、黄氏は、中共が海外の自由国家におけるイデオロギーの宣揚と浸透を、警戒しようと警告をだした。
日本現地にも浸透している中共に警戒を
大紀元日本語ネットは、今年3月に正式に立ち上がってから、反日デモの実情、脱党ブーム、チャイナ・リスク、中国経済、政治と社会内情などの豊富な話題で多くの読者から好評を博している。関係者によれば、当初は1日200前後のアクセス件数から、わずか一ヶ月ほどで3000前後に増加し、6月には紙面創刊の予定もしているという。しかし、日本においても、中共のマスコミへの干渉と妨害の事件が相次いで起きているようだ。読者の投稿によると、ヤフージャパン掲示板の中国カテゴリーでは、中国共産党が最も注視している台湾の新聞である「大紀元時報」に掲載された記事を引用した投稿文が次々に削除されたという。ある読者は「今日、中国共産党の日本における浸透作戦が本格化してきたようだ。 私が5月11日に大紀元時報より、『緊急事態法』やチャイナ・リスクに関する紹介文を含む記事を投稿したところ、その投稿文は見事に削除された。他の投稿者も経験している。日本の掲示板では、大紀元時報以外の読売、産経、朝日、毎日、ときには人民日報などの新聞記事が紹介され、引用されることはいくらでもあるが、大紀元時報の記事紹介だけが狙われ、削除されたケースが頻繁に起きている」と報告している。
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