中国で拘束された家族の解放求め 中共大使館前で抗議 地方議員らも支援

2026/10/29
更新: 2026/10/29

10月28日、日本在住の法輪功学習者らが東京の中国共産党(中共)大使館前で抗議活動を行い、中国で拘束されている家族の即時釈放と迫害の停止を求めた。現場には日本の地方議員3人も駆けつけ、信仰の自由や基本的人権を守る重要性を訴えた。

抗議に参加したのは、劉希月さん、張一文さん、張述慧さん、龔金均さんら。いずれも中国国内に拘束されている家族を持ち、長年にわたってその解放を求めてきた。

逗子市議会議員、全国地方議員の会代表の丸山治章氏、四日市市議会議員の荻須智之氏、大和市議会議員の中村一夫氏と中国における臓器移植考える会の会長代理、根本敬夫氏も参加し、家族の訴えに耳を傾けるとともに、中共当局による法輪功への弾圧を批判した。

「家族の切実な声に耳を傾けて」 丸山氏が迫害停止を要求

丸山氏は、信仰を理由に基本的人権が侵害されている現状について、「本当にひどいことだ」と批判した。

逗子市議会議員、全国地方議員の会代表の丸山治章氏(森本毅篤さん提供)

「家族の切実な声をしっかり聞いていただきたい。世界各国からも非難の声が上がっている。人権侵害が始まってから27年になる。もういい加減やめてほしい」

中国は国連の加盟国として人権尊重を掲げていることにも触れ、中共当局に対し、自ら掲げた原則に沿って行動するよう求めた。また、法輪功学習者らを対象とした強制的な臓器摘出の問題についても強い懸念を示した。

丸山氏は、こうした行為が政策として行われているとすれば「人類の歴史に最悪の汚点を残すことになる」と警告。中国の国民を含め、世界中の人々が問題を知り、迫害を止めるために声を上げる必要があると訴えた。

また、今年9月に米上院で「法輪功および強制臓器摘出被害者保護法案」を全会一致で可決したことを歓迎し、日本でも具体的な法整備を進めるべきだと訴えた。台湾でも地方自治体による条例制定などの動きが進んでいる一方、日本の対応は大きく遅れていると指摘した。

「日本も臓器移植や人権侵害に関する法整備をしっかり進めるべきだ。議員の仲間にも引き続き声をかけ、これまで以上に活動してもらいたい」

「21世紀に信仰を理由とした迫害が続くとは」 中村氏

中村一夫氏は、特定の信仰を持ち、平和的に実践しているだけで国家から迫害を受けることに強い疑問を呈した。

「特定の宗教を信仰し、平和的に学んでいるというだけで国家的な迫害を受ける。21世紀の現代に、まだそういうことが行われているのかと、非常に信じられない思いだ」

大和市議会議員の中村一夫氏(森本毅篤さん提供)

さらに、現実に起きている人権侵害を一日も早く改めるため、社会全体で行動を起こす必要があると強調した。

9月28日、米上院は法輪功および強制臓器摘出被害者保護法案を全会一致で可決した。中村氏は日本国内での法整備を進めることについても、「国際社会への後押しになるだけでなく、実際に拘束され、被害を受けている方々にとって希望の光になるのではないか」と期待を寄せた。

「日本人も他人事にできない」 荻須氏 情報発信が重要

荻須智之氏は、中国における臓器移植と人権侵害の問題について、日本も積極的に対応すべきだと訴えた。

「中国にも良い国になってもらいたい。そのためには、中国共産党のこうした悪行を一つでも止められるよう、日本も立ち上がらなければならない」

四日市市議会議員の荻須智之氏(簡樹/大紀元)

臓器移植については、本来、ドナーとは自らの意思で臓器を提供する人を指すと強調。「臓器は与えるもの、寄付するものであり、奪われるものではない」と述べ、拘束された人々から本人の意思に反して臓器を摘出する行為は決して許されないと批判した。

また、一般のメディアでは十分に報じられていないとして、「SNSや私たちの活動を通じて、日本国民にも知らせていくしかない」と語った。

荻須氏は、かつて四日市市に住んでいた40代の女性が、中国で法輪功の資料を配布したことを理由に拘束された事例にも言及した。

この問題を四日市市議会の一般質問で取り上げたところ、女性は約1年後に解放されたという。

荻須氏は、こうした経験から、拘束された人々の存在を社会に知らせ、関心を集めることが重要だと実感したという。

「臓器移植の問題も、人権弾圧も、法輪功への迫害も、日本人が他人事にできる問題ではない」

さらに、21世紀になってもこうした迫害を可能にする政治体制が残っていることに疑問を呈し、日本社会に一層の関心を呼びかけた。

70代の母親も拘束 家族との面会認められず

抗議では、中国で拘束されている法輪功学習者の家族らが、長年続く迫害と家族が置かれた苦境を明らかにした。

広東省汕頭市では、70代の法輪功学習者、邱秀萍さんが2026年7月末、法輪功について人々に伝えたことを理由に警察に逮捕されたと、娘の張麗玲さんが訴えている。

10月8日に福岡の中国活動を行う領事館前で抗議張麗玲さん(右)

邱さんは現在も汕頭市の拘置所に収容され、家族との面会も認められていないという。

張さんによると、母親は1998年に法輪功を始め、長年悩まされていた病気が改善し、以前より元気になったという。

「母は家族全員の心の支えであり、優しく勤勉な人だ。これほど高齢の母が理不尽な仕打ちを受けていると思うと、胸が張り裂けそうになる」

張さんは、母親の安否が分からない苦しみを語り、日本政府や国際社会に関心を寄せるよう呼びかけた。

「迫害によって引き裂かれた数多くの家族が再び一緒に暮らせるようになり、法輪功学習者が自由に信仰を実践できるようになることを心から願っている」

「母の安否が分からない」 家族が語る拘束と虐待の実態

張一文さんの母親、王乖彦さんは、2024年4月に陝西省宝鶏市で警察に連行され、2025年に懲役4年と罰金1万6千元の判決を言い渡された。

2026年6月、家族はようやく面会を許されたが、王さんが信仰を放棄しなければ、刑務所側が面会を取り消す可能性があるという。

張さんによると、母親は以前、労働教養所に収容されていた際にも深刻な虐待を受けた。顔や頭を殴られ、髪をつかまれて頭を壁に打ち付けられたほか、針で刺され、長時間立たされるなどの苦痛を強いられたという。

「なぜ家族が顔を合わせるという当たり前の権利まで、信仰を捨てることと引き換えにしなければならないのか」

張さんは、母親が再び虐待を受けているのではないかと不安を抱え、眠れない日々を過ごしていると訴えた。

「母は『真・善・忍』の理念に従い、より良い人間になろうと努めてきた、ごく普通の人です。そんな母が一体何を間違えたというのでしょうか」

張さんは母親の即時釈放に加え、釈放までの身の安全と家族との面会権を保障するよう求めた。

母親は前歯を失い 著しく衰弱 支援活動後に面会再開

龔金均さんの母親、姚佳秀さんは、四川省瀘州市出身で、1995年から法輪功を修煉している。

龔さんによると、母親は2000年に懲役3年、2005年には懲役9年の判決を受けた。2014年に帰宅したものの、その後も嫌がらせが続き、2024年9月に再び逮捕された。2025年8月には懲役5年の判決を言い渡され、翌9月、成都女子刑務所に移送された。

左から、逗子市議会議員の丸山治章氏、大和市議会議員の中村一夫氏、法輪功学習者劉希月氏、龔金均氏、中国における臓器移植考える会の会長代理、根本敬夫氏(簡樹/大紀元)

家族が面会した際、姚さんは上の前歯がすべて抜け落ち、精神状態も著しく悪化していたという。刑務所側からは、敏感な話題に触れれば面会を認めないと警告され、虐待の実態を自由に話せない状況だったとされる。

その後、家族は3〜4か月にわたって姚さんと連絡が取れなくなった。

龔さんらは中共大使館前や衆議院議員会館前で救出を呼びかけ、継続的に支援を求めた。その後、刑務所側の対応に変化があり、現在は毎月の電話や手紙、面会を認めるようになったという。

龔さんは「皆さんの努力のおかげで、母の状況を知ることができるようになった」と支援者への感謝を語った。

そのうえで、「平和的な信仰は拘束の理由になってはならない」と強調し、母親を含むすべての法輪功学習者の即時釈放を求めた。

叔母は計11年間拘束 「善良な人がなぜ迫害されるのか」

張述慧さんの叔母、鐘芳瓊さんも、長年にわたり拘束と虐待を受けてきた。

鐘さんは1999年に法輪功を始めたが、同年に中共が弾圧を開始して以降、繰り返し連行された。これまでに労働教養処分1回と実刑判決2回を受け、拘束期間は合計11年に及ぶ。

張さんによると、鐘さんは収容施設で睡眠を奪われ、目や鼻に刺激性の油を塗られたほか、小さなプラスチック製の椅子に長時間座らされ、臀部が広範囲にただれるほどの虐待を受けた。

釈放後も警察による監視や家族への嫌がらせが続き、2024年夏に再び連行された。2025年11月18日には四川省成都市新都区の裁判所から懲役5年と罰金1万元の判決を言い渡されたという。

張さんは、叔母が「真・善・忍」の理念に従い、善良な人間であろうと努めてきただけだ。どの法律の実施を妨害したというのか。誰に危害を加えたのか」と問い叩く。

また、「『私は規則に従っただけだ』という理由で他人を傷つけることを正当化するなら、明日は誰かが同じ理由で、あなたやあなたの家族を傷つけるかもしれない。人は誰でも、自分の行動がもたらした結果に責任を負わなければならない」と述べた。

公安、検察、裁判所など迫害に関わる関係者に対し、自らの行為がもたらす結果を考え、迫害への加担をやめるよう呼びかけた。

夫の無実を訴えた妹も拘束 「一日も早い解放を」

劉希月さんは、中国で懲役4年の判決を受けた妹、劉聡さんの即時釈放を求めた。

遼寧省葫芦島市に住む劉聡さんは、2021年に法輪功への信仰を理由に懲役4年の判決を受けた夫の欒長輝さんの無実を訴え、司法機関への陳情や法廷での弁護活動を続けていた。また、同じ境遇にある家族への無償の法的支援も行っていたという。

しかし、2024年7月、自宅から警察に連行され、2025年に懲役4年と罰金2万元の判決を言い渡された。劉聡さん自身も過去に4年間服役しており、今回が2度目の実刑判決となった。

夫が刑期を終えて釈放されたのは、妻の拘束後だった。現在、欒さんは毎月面会しているものの、会話は厳しく制限されているという。

劉希月さんによると、妹の体調は思わしくなく、刑務所内での処遇も分からないため、家族は不安を募らせている。強制的な臓器摘出の被害に遭う可能性も懸念している。

「これは我が家だけの悲劇ではありません。中国全土で数え切れないほどの善良な人々が不当に拘束されています」

劉希月さんは、妹を含むすべての法輪功学習者の即時釈放を求め、国際社会に支援を呼びかけた。

迫害開始から27年 家族の解放求める声続く

中共は1999年7月、法輪功に対する全面的な弾圧を開始した。それから27年が過ぎた今も、家族の拘束や面会制限、収容施設での虐待を訴える声が続いている。

今回の抗議では、家族らが中共当局に対し、拘束されている親族の即時釈放と基本的人権の保障を要求した。

支援に駆けつけた地方議員3人も、信仰の自由を守る重要性を強調し、日本社会がこの問題に関心を持ち続ける必要があると訴えた。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。