フランスとサウジアラビアは8月24日、パリ近郊に3つの大型テーマパークを整備する計画で合意した。投資額は計60億ユーロで、このうち1つは日本の人気漫画・アニメ「ドラゴンボール」をテーマにする。フランス大統領府によると、約2万2千人の雇用創出を見込む。
建設予定地は、パリの北西約30キロに位置するセルジー=ポントワーズ周辺。サウジアラビアの娯楽・投資会社キディヤ(Qiddiya)が資金を投じる。開業時期はまだ決まっておらず、建設には数年かかる見通しだ。
マクロン氏と王太子の「ドラゴンボール好き」がきっかけ
計画の背景には、フランスのマクロン大統領とサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン王太子に共通する「ドラゴンボール」への関心があった。
仏紙ル・モンドによると、2024年12月にマクロン氏がサウジアラビアの首都リヤドを訪問した際、2人が鳥山明氏の「ドラゴンボール」のファンであることが分かった。フランス大統領府関係者は、これが今回の計画につながったとしている。
「ドラゴンボール」はフランスでも長年高い人気を誇る。フランス国立造幣局「モネ・ド・パリ」によると、フランスは日本に次ぐ世界第2位の漫画市場で、2025年には約3300万冊を販売した。「ドラゴンボール」はフランスで歴代3位の販売実績を持つ漫画だという。
今年4月1日に東京で開かれた日仏首脳会談後の共同記者発表でも、マクロン氏は「フランスは世界第2位の漫画大国だ」と強調。「日本の首位は揺るがないが、われわれも日本と同じくらい漫画を愛している」と語り、漫画や映像作品の共同制作、海賊版対策などで協力を深める考えを示した。記者発表の終了時には、高市早苗首相が「ドラゴンボール」の必殺技「かめはめ波」のポーズを披露すると、マクロン氏も笑顔で応じ、両首脳が向かい合ってポーズを取った。
サウジでも世界初の「ドラゴンボール」パーク計画
計画を担うキディヤは、サウジアラビアでも世界初となる「ドラゴンボール」の大型テーマパーク計画を進めている。
同社は2024年3月、リヤドから車で約40分の大型娯楽都市「キディヤ・シティ」に「ドラゴンボール」をテーマにした施設を建設すると発表した。東映アニメーションとの長期的な戦略提携に基づくプロジェクトで、敷地面積は50万平方メートルを超える。
パーク内には7つのテーマエリアを設け、「ドラゴンボール」から「ドラゴンボール超」までの世界観を再現する。「カメハウス」や「カプセルコーポレーション」、「ビルスの星」など、作品を象徴する場所も登場する予定だ。
アトラクションは30以上を計画しており、目玉の一つは、高さ約70メートルの「神龍」を囲むように走る大型ジェットコースターとなる。園内にはテーマホテルや飲食施設も設ける。
サウジ国内に続き、フランスでも「ドラゴンボール」を軸とした大型テーマパーク計画が進むことになる。
約35年前に閉園したテーマパーク跡地を再開発
フランスの「ドラゴンボール」パークは、1991年に閉園した大型遊園地「ミラポリス」の跡地に建設される計画だ。
マクロン氏は今回の投資について、フランスでは「ディズニーランド・パリ以来」の規模のテーマパーク計画だと強調した。3施設を合わせて約2万2千人の雇用創出が見込まれており、フランス側は大型の外国投資案件として期待を寄せている。
一方、各施設の規模やアトラクションの内容、工事開始時期、開業予定年など、多くの詳細はまだ決まっていない。
サウジアラビアは、石油依存からの脱却を掲げる国家改革「ビジョン2030」のもと、観光やスポーツ、エンターテインメント分野への投資を拡大している。今回の計画も、こうした娯楽分野への投資拡大の一環となる。
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