米国防総省 パトリオットPAC-3を3倍、THAADを4倍に増産

2026/08/04
更新: 2026/08/04

米国防総省(ペンタゴン、近年は「戦争省」の呼称も用いられる)は8月3日、米国の主要軍需企業であるロッキード・マーティン(Lockheed Martin)とノースロップ・グラマン(Northrop Grumman)の両社とそれぞれ枠組み協定を締結したと発表した。これにより、「パトリオットPAC-3」および終末高高度防衛(THAAD)、両ミサイル迎撃システムの部品生産能力を拡大する。

発表文では、協定の具体的な金額は明らかにされていない。ただし、この画期的な協定によって、パトリオットPAC-3防空ミサイルの生産量は従来の3倍に、THAAD迎撃システムの生産量は従来の4倍にそれぞれ引き上げられるという。

発表文は「本措置は、米国にとって最も重要な迎撃システムのサプライチェーンを安定させ、トランプ大統領とヘグセス長官が共同で打ち出した『自由の兵器廠』(Arsenal of Freedom)構想を推進し、重要な能力の提供を早め、国家の統合防空・ミサイル防衛能力を強化することを目的とする」と述べている。

生産体制を安定させ

同省はさらに、これらの協定によってサプライヤー側により長期的な発注見通しが示されることになり、各社が工具の研究開発や設備の改良、人員体制の構築に投資しやすくなるとしている。

これら協定に基づき、同省は二つの重要な国防プロジェクトの生産能力を大幅に引き上げる方針である。パトリオットPAC-3ミサイルの段階的能力向上型(MSE)プロジェクトについては、今回の枠組み協定によって固体ロケットモーター(SRM)の第二の供給元が確立される。

第二のサプライヤーに安定した発注を提供することで、同省はサプライチェーンの安定性と競争力を高め、より強靱な国防産業基盤を築く狙いである。加えて、この協定によりPAC-3の点火安全装置(ignition safety devices)の生産能力も向上する。

THAADシステムの部品生産に関しては、今回の枠組み協定によって構造部品の生産量が4倍に拡大される。これにはミサイル中段のケーシング(殻体)や発射レール台車(レールカー)の部品といった重要な部品が含まれる。

ノースロップ・グラマンのベン・デイビーズ(Ben Davies)副社長は声明で、「画期的な製造技術と強靱なサプライチェーンへの長期的な投資により、当社は記録的な短期間で安定生産から生産量急増への移行を実現できた。米国を代表する固体ロケットモーター生産企業の一社として、当社は弾薬生産を加速させる政府の取り組みを支持する」と述べた。

中東とウクライナでの戦争は、米国製兵器への需要を押し上げている。ペンタゴンの交渉担当者はすでに、ミサイルの生産量を高めるべく、今年初めに結ばれた初期段階の生産協定を早急に進めるよう請負業者に促してきた。米陸軍は先週、パトリオット迎撃ミサイルの生産のため、最大586億ドル(約9兆2,300億円)規模の契約をロッキード・マーティンと締結した。

張婷