「火災対策」が、まさか消火器を背負って働くことだった。
工場火災の後、中国では従業員が重い消火器を背負ったまま働く異様な光景が広がっている。事故の教訓が、なぜ現場の労働者への「重荷」になってしまったのか。ネットでは「やるべきことが違う」と疑問や批判が相次いでいる。
福建省晋江市の靴工場で7月9日、大規模な火災が発生し、当局は少なくとも28人が死亡したと発表した。しかし、一部では実際の犠牲者はさらに多いのではないかとの指摘も出ている。
事故後、中国版TikTok「抖音」には、福建省内の靴工場や衣料品工場で、従業員が消火器を背負って生産ラインで働く動画が相次いで投稿された。
数キロある消火器を背負った従業員は、前かがみで機械を操作し、腕を動かすたびに背中の消火器が大きく揺れる。画面越しにもその負担の大きさが伝わる異様な光景に、多くの人が驚いた。

実は、このような対応は今回が初めてではない。2023年に寧夏・銀川市で焼き肉店のガス爆発事故が起きた際にも、一部の飲食店で従業員に消火器を背負わせる対応が見られた。
火災事故の教訓として真っ先に行うべきなのは、工場の消防設備や避難経路、安全管理を徹底的に見直すことだ。それが安全対策の基本であり、常識でもある。
重い消火器を従業員の背中に載せても、火災の原因は何一つ取り除けない。それなのに、またしても消火器を背負わされる現場。その光景に多くの人があきれる一方、当局はそれを「安全対策」として大真面目に進めている。

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