アメリカの連邦通信委員会(FCC)は6月26日、中国の一部メーカー製の電子機器および通信機器について、輸入を原則全面的に禁止すると発表した。この措置は、ワシントン当局による中国製テクノロジー製品への規制が大幅に強化されたことを示している。
今回の輸入禁止措置の対象となる中国の主要テクノロジー企業5社は、ファーウェイ(Huawei)、中興通訊(ZTE)、ハイテラ(Hytera)、ハイクビジョン(Hikvision)、およびダーファ・テクノロジー(Dahua)である。
FCCが「2019年安全で信頼できる通信ネットワーク法」(Secure and Trusted Communications Networks Act of 2019)に基づき公表した資料によると、公共安全・国土安全保障局(Public Safety and Homeland Security Bureau)は、「対象リスト」(Covered List)を継続的に更新している。このリストに掲載された通信機器およびサービスは、「米国の国家安全保障、または米国民の安全に対し容認できないリスクがある」と認定されたものである。
これら5社はすでにこの基準に該当するとして、FCCの監視対象リストに掲載されている。2022年には、新たな製品モデルについて、米国での機器認証申請が禁止されていた。
しかし、今回26日に発表された新規則は、規制の段階をさらに引き上げ、税関段階での全面的な輸入禁止を導入するものである。これは、これまで存在していた制度上の余地を完全に封じる措置といえる。
今後は、米国市場への参入を目指す新規開発製品だけでなく、すでに認証を取得し市場に流通している既存モデルについても、すべて税関で差し止められ、輸入が認められなくなる。
今回の措置は、2026年半ばにおいて、外国製の重要電子機器および通信サプライチェーンに対し、米国政府がより厳格かつ包括的な管理体制を強化している流れを反映したものである。
また、5社製品の輸入禁止に加え、FCCは関連分野での規制強化を相次いで打ち出している。同月には、海底光ケーブルに関する審査制度の大幅強化を決定し、敵対国の企業や団体が部品供給や運用に関与することを厳格に制限した。さらに、規制対象を消費者向け製品にも拡大し、中国のTP-Linkなど一部外国ブランドのWi-Fiルーターやドローン部品を監視対象リストに追加した。サプライチェーン全体における潜在的な安全保障上のリスクを、包括的に排除する狙いがある。
■5社の日本での販売状況
これら5社の製品は、現時点でも日本の民間市場で販売・流通している。ただし、ファーウェイおよびZTEは、政府・自治体による調達から事実上排除されており、今回の米国の措置を受け、日本でも規制強化の動きが続いている。
ファーウェイ(Huawei)
日本では民間向け販売は継続している。「ファーウェイ・ジャパン(華為技術日本株式会社)」が国内に拠点を置き、2026年5月にも新製品発表会を開催した。スマートウォッチやウェアラブル機器、イヤホンなどを積極的に展開している。一方で、政府および中央省庁の調達からは2018〜2019年以降、事実上排除されている。さらに2026年4月には、総務省が2027年夏を目途に、地方自治体のIT調達においても中国製品を事実上全面的に排除する方針を固めた。
中興通訊(ZTE)
ZTEも日本において「ZTE Devices Japan」として展開し、スマートフォンなどを販売している。政府調達からの排除はファーウェイと同様に2018年から実施されており、今後は自治体調達でも事実上排除される見通しである。民間市場では引き続き流通している。
ハイテラ(Hytera)
日本では公式サイトを展開し、正規代理店「株式会社総合トレーディングジャパン」を通じて業務用無線機器を販売している。過去には、原子力研究施設「もんじゅ」の入札仕様書に同社製品が指定され、米国政府が禁止対象とする中国製品として問題視された事例がある。現在、日本国内での輸入や販売を直接規制する措置はなく、民間向け販売は継続している。
ハイクビジョン(Hikvision)
日本では「ハイクビジョン・ジャパン(Hikvision Japan)」として拠点を構え、防犯カメラや監視システムを正規代理店経由で販売している。日本国内では制裁や禁止措置は講じられておらず、米国の国防権限法(NDAA)も米連邦政府向け取引に限定されるため、日本における民間販売は適法である。ただし、2023年には国土交通省の河川監視カメラ337台に不正アクセスの疑いが発覚するなど、安全保障上の懸念は高まっている。
ダーファ・テクノロジー(Dahua)
「ダーファ・テクノロジー・ジャパン」が東京・中央区に拠点を置き、楽天市場やYahoo!ショッピング、モノタロウなどのECサイトで製品を広く販売している。防犯カメラやNVR(ネットワークビデオレコーダー)などが、個人および法人向けに流通している。
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